「はならぁと」のならまちを歩く

先日は奈良・町家の芸術祭「はならぁと」の五條と八木の会場を回りましたが、今度はならまち(奈良市)と大和郡山城下町の会場を回りました。
この「はならぁと」は、奈良県内の主に6エリアの町家を会場に、花にちなんだアート作品などを展示していたイベントです。この10/30をもって終了しました。
今回は、ならまちを展示以外のことも織り交ぜて紹介します。
最初に訪れたのは森家です。
明治20年代頃に建てられた町家だそうです。
今年改修が終わったばかりとのことで、きれいでした。

各室に計4人の方の作品が展示されていて、屋根裏部屋までも展示スペースになっていました。
はしごに登ってのぞき込みます。
左側にある絵が展示作品。残りはたぶん元々あるもの。まるで、無造作に倉庫にしまわれているような展示です。
この作品を描いた岩名泰岳さんは、今回の作家さんの中でも最も印象に残った方です。
この絵と似たような色合いの絵が多いのですが、「こんな絵は見たことない」と思わされる存在感です。ちょっと説明しにくいのですが、埋もれていくような絵というのでしょうか。こちらに向かって来ないのです。
まだ24歳という若さにも驚きます。

展示に使われている台などもどこかから引っ張り出してきたようでした。
年号が書いてあって、江戸時代のものみたいです。

鏡台も年輪が美しく、良さそうなものです。

ならまちは、近鉄奈良駅から南側のエリアで、昔はとても静かな町だった記憶があるのですが、ここ数年、カフェや雑貨屋などが増え、人通りも多く、京都っぽい雰囲気になっています。
それでも中心部を外れると静かな坂の街です。

高低差があるので、小川が音を立てて流れていたのでしょう。
鳴川町という地名の仁丹看板が掛かっていました。

古い玄関灯も残っています。

「くるま座」は、江戸時代に砂糖蔵だった建物だそうです。
赤くて丸い模様が一面にあり、これは節を表しています。
普段見過ごしているものを意識させるアートです。
先日、神戸ビエンナーレの元町高架下会場で、戸井田雄さんの「時を紡ぐ」という、建物の傷を蓄光塗料でなぞった作品を見ていたので、それに通じるものを感じました。
それに比べるとちょっと強すぎるかなという気も。

続いて、正木家。
明治中期の乾物屋の建物らしいです。
現在は奈良女子大学の奈良町セミナーハウスとなっています。

ここで見た三瀬夏之介さんの作品が素晴らしいもの。
引き戸の向こうに立ちはだかるような水墨画の屏風です。
子どもの頃に見る夢で、戸を開けると異界が広がっている。
そんなイメージです。
戸をくぐってようやく全体が見渡せます。
古い町家の薄暗さがはまっていて、ずっとこのまま置いてほしいと願うような作品でした。

この正木家、元々から繊細な造りが凝らされているようです。
例えばこの引き戸。とても繊細な桟が組まれています。

作品とともに、家具も存在感があります。

いつ頃描かれたのか分かりませんが、壁にエノコログサの絵。
繊細な筆で描かれた、このさりげない題材がいいです。
アート作品を見に行っているのか、町家を見に行っているのか分かりませんが。

あとはおまけのようなものです。
うなぎの「江戸川」というお店、裏から見ると洋館と煉瓦塀が見えます。
後で調べると明治初期に絹布や麻布の卸商をしていた関家、のち宮島家の建物だったらしいです。
洋館は大正時代のもので、この部分も客室になっているらしいので、気になります。

こちらはなぜか狛犬のいる家。
歴史があるだけに、周辺を歩いても面白いものが見つかります。
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