石切の眺望住宅地(東大阪市)
石切に出かけたのは、日下遊園地跡を見るのが目的でしたが、もう一つ見ておきたい場所がありました。
それは石切の郊外住宅地です。
大正3年に上本町〜奈良間の大阪電気軌道(今の近鉄奈良線)が開通すると、沿線で郊外住宅の開発が進みました。瓢箪山から石切にかけての生駒山麓にいくつもの住宅地ができ、石切の住宅地もその一つです
現在の東石切4丁目で、石切山荘地会社による石切山荘園(1928年(昭和3年))に当たるのかと思いますが、確実なことは分かりません。
近鉄奈良線・石切駅の西側の斜面にあります。。
ご覧の通り、桜並木の配された緑豊かな住宅地で、斜面に平行する平坦な道と直交する坂道・階段で区画されています。
たぶん眺望を売りにしていた住宅地で、この傾斜ですから、どの家からもかなりの絶景が期待できます。その点、六甲山麓の住宅地と立地が似ているともいえます。六甲は南斜面、こちらは西斜面という違いはありますが。
傾斜のきついところではこんな坂があって、今はこんな道の付け方はしないでしょうね。
メインストリートはおそらくこの桜並木の坂道。これに次ぐのがたぶん最初の写真にあげた平坦な桜並木です。
まず洋風の住宅から見ていきましょう。
最初に見つけたのがこの洋館付き住宅です。
和瓦と洋瓦の屋根が組み合わさっているのが分かりますか?
こちらは洋風っぽい住宅。
屋根が腰折れになっています。
この住宅などいい洋風住宅なのですが、屋敷森に覆われてほとんど見えません。この住宅地は大区画のお屋敷も多いようです。
これでも裏門です。瑠璃色の瓦が少し見えています。
和風の住宅はもう少し外からも確認しやすくて、例えばこんな住宅があります。
蔵付きの住宅があるのは、古い住宅地の特徴です。
あまりに緑豊かで建物がよく見えない住宅も多いのですが、門ならよく見えます。
こちらの門は門扉の上に模様入りのアーチがかかって、凝っています。門を入ると右に登り道があり、建物は左奥にあるようでした。
門柱のベストはたぶんこれ。半円の庭のようなスペースに屋根付きの門柱。タイルをずらしながら貼っています。
左右高さの違う、スクラッチタイルの門柱。
丸い石を積んだ門柱。見事に立体的な生け垣です。
昔のオーソドックスな門柱と門扉。家が見えません。
木彫りの門扉です。
リズムをもって流れるような塀。
外からでも街並みを楽しめましたが、一度お屋敷の中から河内平野を眺めてみたいものです。
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コメント
このあたり、家具屋に勤務していたころ、よくトラックで走りました。家具を荷降ろしの際、トラックの停める向きに木を付けなくては勝手に引き出しや扉があいてしまい、危険地域でした。冬の配達も怖かったです。高台へ配達の帰り、絶景を見られるのは楽しみでした。
投稿: narakaki | 2011年9月 8日 (木) 09:50
こんにちは。
ええ感じの町並、そして家々ですね。しかしながら写真で改めて見ると、もの凄い傾斜…落ち着いた風情の住宅地ですがお年寄りにはキツそう。ま、そんな苦しみを忘れさせてくれるだけの窓からの眺めなんでしょうね。
投稿: 山本龍造 | 2011年9月 8日 (木) 09:56
narakakiさま
コメントありがとうございます。
この街になじみがあったのですね!
私もここ、冬はどうなるんだろうと思いました。
配達には行きたくないなあ。
投稿: びんみん | 2011年9月 9日 (金) 00:59
山本龍造さま
いつもありがとうございます。
すごい斜度でしょう?こういう試行錯誤を経て、今の住宅地ができている(?)のかと思ったり。
絶景のために思い切った開発やと思います。
投稿: びんみん | 2011年9月 9日 (金) 01:04