石切の信仰の道(東大阪市)
3回にわたって石切の紹介をしてきましたが、一般的には石切と言えば石切神社(石切さん)、そして門前の濃密な商店街でしょう。占いの店が特徴的です。近鉄奈良線の石切駅から石切神社まで坂道を下る商店街ですが、逆に登っていくとどうなるでしょうか。
実際に歩いたルートとは順不同ながら紹介します。
線路の向こう側には静かな町がありました。
下見板張り、白ペンキ塗りの酒屋さん。
裏側に回ると古い長屋で、古い布団屋さんがあります。
奴のマークが面白い。
長屋と長屋の間に下に降りる階段。
のぞき込んではっとしました。
井戸だったのでしょうか。
長屋の基礎がレンガです。
道を登ります。
今度は赤レンガの工場があります。
(追記)
工場ではなく、大正14年の元銭湯だそうです。
kousenさんからの情報で、ナムダーさんのブログ「河内彷徨 〜郷土を見に行く〜」の「レンガ積みの建造物」に紹介されていました。kousenさん、ナムダーさん、ありがとうございます。(2013.1.3記)
さらに進むと左から登ってくる道と合流する辻。
一番大師堂があります。
石造物がアール・デコっぽい。
その向かいには四光地蔵尊、爪切地蔵尊(弘法大師が爪で刻んだという伝説)の地蔵堂があります。
大事な辻だったようです。
ちょっと左の道の方も見てみましょう。
風情のある石垣と土塀が続いています。
古いお医者さんがあります。
玄関灯もレトロです。
さて、地蔵堂のある辻から上は数mごとといっていいぐらいにお地蔵さんが現れます。
この道は生駒山を越えて宝山寺(生駒聖天)まで続く信仰の道で、途中、石切神社の奥の院もあります。
この谷(辻子谷)には寺院も点在しています。
アール・デコのような門柱。
洋風の木造小屋などもあります。
この谷にはかつて水車がたくさんあり、製薬会社などもありました。
振り返ると河内平野です。下りは夕方には夕陽を眺めながらになります。
石切神社の上之宮にも寄ってみました。
奥の院や元宮といった場所を訪ねるのは実はとても好きです。
いろいろなお社や滝の行場などがあるのですが、面白い(?)のが、こちら。石切神社で願掛けに亀の置物を納め、願いが叶うとこちらの神社にまた別の亀の置物を供えるらしい。
ですからここにある亀はみんな願いが叶った証です。
めでたいですね。
宝山寺まで歩くわけにいかないので、このあたりで引き返しました。
おまけ。石切神社の参道から少し外れたところに木造下見板張りの長屋住宅がL字型に並んでいました。
2階と別々の入口になっているのでしょうか。
とても味わい深い長屋です。
石切編はこれで終わりとします。
次からはまた山形編です。
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コメント
こんにちは。
「ここも大阪?」と思わせる様な風情あるところですね。
“白ペンキ塗りの酒屋さん”、あの建物は車窓から見ることもありますが、何か惹かれるもんがあります。その昔は大きな清酒の琺瑯看板も付けられていてもっといい感じだったことを思い出しました。
私も30年ほど前にあの辺りを登ったとき「“新三共胃腸薬”みたいなニオイがするなぁ」と思ったところがあったんですが…そこはきっと製薬会社やったんでしょうね。高野って思い出すとニオイの記憶ってのも、けっこう残るもんやと今、気付きました。
投稿: 山本龍造 | 2011年9月15日 (木) 22:42
山本龍造さん、こんばんは。
コメントありがとうございます。
白ペンキ塗りの酒屋さん、昔は看板もかかっていたんですね。奈良に行くときに、枚岡駅から石切駅にかけて、ええ感じやなあと思って眺めていたので、私も見ていたはずですが。
久しぶりのニオイに、たまに遠い記憶に持って行かれることがあります。水車で製薬というのも味のある組み合わせやなあと今にして思います。
投稿: びんみん | 2011年9月16日 (金) 01:14