山形の旅(2)北前船の風待港・加茂
山形の旅はまず鶴岡に降り立ったのですが、街には出ずに、駅前から加茂に行くバスに乗りました。
にいがたなじらねっとのt-nouchiさんが数日前に立ち寄られて、加茂が北前船の湊だと紹介されていたので、ちょっと寄り道してみることにしたのです。
鶴岡駅前から庄内交通バスで32分。鶴岡の中心地を抜けて、大山の街を通り、峠を越えて加茂の町の先にある加茂水族館で降りました。運賃は結構高くて700〜800円したような。
鶴岡市立加茂水族館は一昔前のたたずまい。
駐車場は車でいっぱいでした。
クラゲの水槽が人気です。
と、ふと横を見るとこんもりした岬があって、灯台が立っています。
今にも崩れそうな天気でしたが、ちょっと上ってみることにしました。
かわいらしい灯台は荒埼灯台。高さは12mです。
灯台は明治36年からありますが、現在のは昭和27年に建て替えられたものです。
ここからは加茂の港を一望できます。
手前に見えるのは水族館ですが、奥に見える大きな建物は山形県唯一の水産高校、加茂水産高校です。
歴史の慣性というものでしょうか。
入り江の反対側にも小高い山があり、その麓、やや左に白い屋根が見えますでしょうか。
石切鶴岡神社の屋根で、この場所が日和山だそうです。(t-nouchiさんの受け売り)
風待ちの湊らしい地形です。
『北前船 寄港地と交易の物語』によれば、山形・新潟県境に近い「鼠ヶ関」が庄内藩公式の外港で、加茂は鶴岡城下の生活物資を陸揚げする港だったそうです。北前船の時代には十数軒の廻船問屋があったそうです。
せっかくなので、加茂水族館にも入りました。
この瓜のようなクラゲはネオンのような光が走ってとてもきれい。
動画でお見せできないのが残念です。
ちょうど昼時なので、加茂水産高校の向かいにある美好食堂に入りました。
食事できるところは水族館以外ではここぐらいしかないかも。
かきあげラーメンを食べていると、本格的に雨が降り出しました。
あいにく傘がありません。傘を売っているところがないかお店の方に聞くと、「ない」とのことでしたが、お店の傘をいただけました。ありがたいことです。
港の一番奥。今では漁港です。
ぐるりと回り込んで反対側から。
港は山に囲まれています。
さらに回り込んで。
以前に紹介した出雲の風待港の鷺浦や赤穂の坂越と同様、山越えをしなければ、街には出られません。
あまり時間がなかったのですが、思い切って石切鶴岡神社まで足を伸ばしました。
昭和59年に大阪の石切神社から分祀されたとのことで、意外に歴史は浅いようです。石切神社とどういうつながりがあるのか気になります。
石切鶴岡神社からの眺め。
ここからは港は見えません。対岸の小さな岬が荒埼灯台のある岬です。
加茂を歩いているとやたらと消火栓が目に付きます。
酒田大火の教訓でしょうか。
商港の余韻でしょうか、旅館か料亭のような建物もあります。
ちょっと時間配分を間違えてまちなかをぶらぶらする時間がありませんでした。
雨はますますきつくなり、再びバスで鶴岡に戻ることにしました。
(追記)
加茂の集落には、聴濤館という大正10年頃の洋館があるそうです。見に行けなくて残念。(2011.6.3記)
集落の一番奥に、来るときも気になった木造校舎があります。
調べてみると廃校になった加茂中学校です。
しかも映画『山形スクリーム』(※リンク先は音が出ます。注意)や『スキヤキ・ウェスタン・ジャンゴ』(※リンク先は音が出ます)のロケ地になっているらしい。
どちらも見たことはないですが。
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もう一つ、バスの経路で大山の街に気になる建物がありました。
後で調べると、擬洋風の旧鶴岡警察署大山分署です。明治18年の建物。
よほど開けていたことが分かります。
大山は羽州浜街道の宿場町で酒造の町でもあったそうです。
散策してみたら面白いかもしれません。
大山ではもうひとつ清月旅館も気になりました。
木製の窓の桟が洋風デザインです。
バスは鶴岡駅に向かいますが、途中の致道博物館前で降りました。
見ての通りの明治建築。
ここから鶴岡の街を散策します。
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