« 玄関灯も楽しい(大阪市東住吉区) | トップページ | 旧開高邸のこと(大阪市東住吉区) »

2010年12月23日 (木)

鉱石の道ツアー(3)明延の坑道に入る

101205akenobe1
兵庫県の生野鉱山・鉱石の道モニターツアーの続きです。
神子畑に続いては、山を越えて明延(あけのべ)鉱山の跡に向かいました。
養父市大屋町にあります。

奈良時代の開山ともいわれる鉱山で、明治29年に生野鉱山が三菱に払い下げられた後の明治33年から本格的に開発されました。かつて日本一のスズ鉱山であり、スズ、銅、亜鉛、タングステンなど、約40種の非鉄金属鉱脈をもつ鉱山です。選鉱場のある神子畑(みこばた)とはトロッコ電車で結ばれていました。戦後も長く採掘が続けられましたが、円高と資源価格の下落で採算が合わなくなり、鉱脈を残しながら昭和62年に閉山してしまいました。

坑道総延長550kmのうち、650mが青少年教育用の探検坑道として整備されています。今回のツアーではここを見学させていただきました。案内は鉱山で働いておられた方です。

坑道の入り口は道の脇にあって、トロッコの線路が残っています。

101205akenobe2
内部には照明が設置されていて、歩きやすくはなっていますが、それほど手を入れているわけではありません。トロッコの線路も残されています。

101205akenobe3
線路の分岐。

101205akenobe5
鉱脈を掘り進んだ跡。
明延は地盤がしっかりしているので、埋め戻したりしなくても大丈夫だそうです。

101205akenobe6
人の通路。

101205akenobe7
階段で下の層に降ります。

101205akenobe8
ボーリング機。
このように坑道のところどころに、鉱山機械が自然な形で展示されています。

101205akenobe9
オフセットストーパといって、手持ちで上に向かって掘削する機械。

101205akenobe10
蓄電池式の機関車も展示されています。

101205akenobe11
再利用としてお酒の長期熟成用の蔵が設置されています。
きちんと国税局に届けた蔵であることを強調されていました。

101205akenobe12
大寿立坑という坑内のエレベータ。

101205akenobe13
探検坑道の終わり近くになると坑道が広くなり、大型の作業機械が展示されています。

101205akenobe14
ゆっくり説明していただいて出口に出ました。

101205akenobe4_2
※クリックすると拡大します

坑内に坑道の地図が示されていました。
こういう坑道って方向感覚がまひしてしまって、こんなルートになっているとは思いもよりません。

この探検坑道は青少年教育用です。観光施設ではありません。単に博物館・資料館というわけでもありません。説明してくださった方は、明延鉱山は休山しているだけで、将来、資源が高騰したら再び採掘されることがあるのではないかという思いをお持ちのようでした。
そのときに掘る人を育てるための教育。
そんなふうにも感じました。

真摯な思いの伝わるいい施設だと思います。

101205akenobe16
最後にツアーでは一円電車を見学させていただきました。
明延と神子畑の約6kmを結ぶ鉱石輸送用の線路があったのですが、その区間を一円で人を運んでいた電車です。非常にかわいらしい。

101205akenobe17
中はこんな感じでやはり狭いです。
「護送されているみたい」という声も。

101205akenobe15
ほんの短い区間ながら、実際に乗せていただきました。
なかなか楽しいものです。

今回のツアーはここまで。
朝早くから日が暮れるまでみっちりのツアーでした。
ここまで盛りだくさんではたいへんかもしれませんけど、定期的に開催されるコースになってもらいたいなと思います。

個人的には、今回のツアーでハイライト部分は見せていただいたので、鉱山施設や社宅など名残を訪ねる旅にまた来てみたいと思いました。

<関連記事>
 「鉱石の道ツアー(1)生野を散策」
 「鉱石の道ツアー(2)神子畑の選鉱場跡」

|

« 玄関灯も楽しい(大阪市東住吉区) | トップページ | 旧開高邸のこと(大阪市東住吉区) »

日常旅行(兵庫)」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 鉱石の道ツアー(3)明延の坑道に入る:

« 玄関灯も楽しい(大阪市東住吉区) | トップページ | 旧開高邸のこと(大阪市東住吉区) »