新潟なつ歩き(18)小木のガラスの町屋
佐渡南岸の宿根木(しゅくねぎ)を見た後、また小木まで戻りましたが、すぐにはレンタサイクルを返さず、バスの時間まで小木(おぎ)の町を見て回りました。
小木は陸繋島らしき小さな岬の付け根にある町です。
江戸時代初期、元小木から港・商人が移されて、佐渡金山と一体で発展した港で、慶長11(1606)年に番所がおかれ、のち佐渡の金銀の積出港となりました。また、寛文12(1672)年には西回り航路の寄港地に指定され、北前船の交易で賑わいました。北前船の歴史は明治末まで続きます。
小木は町の東西に内の澗(ま)、外の澗(ま)という港を持っていました。風向きによって東西の港を使い分け、非常時には移動できるように両港を結ぶ水路まであったそうです。
写真は旧小木小学校。
明治10年に建てられた下見板張りの木造建築です。
今は住宅になっているようです。
西洋建築の柱頭風デザインが入っています。
小木でも古い本町通りの町並みです。
廻船問屋街であり、船員の娯楽の場でもあったそうです。
左は大正時代の旧小木郵便局、中央は貸座敷の高砂屋でした。
木造で2階が張り出す出鼻造り、ふんだんにガラスを使っているのが特徴のようです。
かしやという今は酒屋さん。
古い建物だそうです。
凝った桟が入っています。
非常に立派な町屋の鍋屋。
江戸時代の問屋であり、越中船の定宿だったそうです。
「汽船取扱」の看板が掛かっています。
明治時代に最初の越後・佐渡間の定期船「占魁丸」の就航に尽力したとのこと。
以上の町は内の澗(西の港)に面しているのですが、外の澗(東の港)に面して5階建ての喜八屋旅館があります。
明治37年の大火後に2階建てで建てられ、昭和3年に5階建てに増築されたそうです。
いかにも「増築しました」という建物です。
珍しいガラスの戸袋。
雨戸もガラスですから、採光は抜群です。
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このあたりで時間切れ。
神社や資料館なども見られず、名残惜しいですが、自転車を返して、バスに乗ります。
観光案内所の前がバス停なのでとても便利です。
本州に渡る高速船の出る赤泊(あかどまり)港を目指すのですが、バスはまっすぐ海岸を走らず、羽茂(はもち)大橋から内陸に入り、羽茂本郷で折り返します。
羽茂の平野には水田が広がっています。
パイロットの訓練場もありました。
再び海岸の羽茂大橋へ。
ここからが壮観で、海岸沿いに大型の蔵が連続して現れます。
マルダイ味噌の蔵。
佐渡醤油の蔵が続き、B&Gの施設として使われている古そうな建物などもあります。
昔は今以上に多くの蔵が並ぶ、味噌と醤油の一大生産拠点だったようです。
これらの蔵は、外に送り出すことを想定した立地ですね。
やがて建物は消えて、自然の海岸になります。
ごつごつした赤い岩の磯です。
赤泊=赤い港。岩の色から取られているのでしょうか。
約40分で赤泊港に到着。
海岸まで迫る山と海の間に細長く、赤泊の町が伸びています。
船が出るまで赤泊の町を探訪します。
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