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2010年6月 6日 (日)

春の彦根(3)滋賀大学の近代建築

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彦根城の西側、お堀の向こうに滋賀大学の経済学部があります。ここに2つの近代建築があるので見に行きました。
1つは手前に見えている塔屋のある建物です。

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滋賀大学の正門にやってきました。
この大学はちょっと変わっていて、経済学部は彦根ですが、教育学部は大津です。
それぞれルーツも違い、経済学部は彦根高等商業学校(彦根高商)、教育学部は滋賀師範学校・滋賀青年師範学校の系譜をひいています。商人の街・彦根らしいですね。

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まず滋賀大学経済学部講堂。
彦根高商は大正11年に開校するのですが、大正13年に完成したのがこの大講堂です。
南側が正面です。

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この建物は4面それぞれの表情を見せてくれます。
東側も正面らしい構えです。
演台は西奥にあるので、こちらから入ると正面に演台を見ながら入ることになります。

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北側はお堀越しに講堂を眺めることができます。
こちらから見られることも意識されているでしょう。

(追記)
1954年の卒業生さんの情報で、講堂の右側に見える平屋部分は「合併教室」と呼ばれる階段教室だったとのことです(コメント欄をお読みください)。

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「合併教室」の窓。

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「合併教室」の裏口。
(2010.6.8記)

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もう少しクローズアップしてみましょう。
屋根の丸いドームは銅板張りの凝ったつくり。
緑青と木に塗られたパステルグリーンが合っています。

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東玄関の装飾。
全体に派手な装飾はありませんが、大正時代らしい幾何学模様が入っています。

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銅の雨樋にもさりげなく植物のデザイン。

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外観だけでなく、座席も木製で、味わいのある講堂だと思います。
平日なら予約すれば見学できるそうですが、この日は休日だったので外からだけです。

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もう一つの近代建築は陵水会館。
陵水会というのは、神戸高商の同窓会で、その会館でした。
昭和13年の建物で、設計は滋賀にゆかりのあるヴォーリズです。
桜並木があったというこのアプローチも含めて良いです。
左に少し見えているのは池で、後で紹介します。

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スパニッシュの建物で、入り口周りのタイル、そして2階のバルコニーと、とても暖かみを感じさせます。壁面ももこもこした感じ。

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入り口の階段にも楽しげに豆タイルが張られて、歓迎ムードにあふれています。

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2階のバルコニー。
一足に先に到着した卒業生が、後から来た同窓生に手を振っていたのでしょうか。

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裏側に回るとまた違った印象を受けます。

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最後に、これもいいなと思った壁泉を紹介します。
陵水会館とセットではないかと思います。

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このときは止まっていましたが、陶製のライオンから水がはき出されていたはず。

小さいながら、暖かみを感じさせる空間でした。


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コメント

近頃の滋賀大学経済学部を紹介していただいて有難う。懐かしく拝見しました。
講堂は2階建てですが、その奥の1階建ての建物は「合併教室」当時称していました。階段教室で、一番大きい教室でした。といっても200人ぐらいで一杯になります。当時経済学部の定員は150人でした。
陵水会館2階は、私の学生時代は教授の研究室でした。質問や論文の相談に、恐る恐る伺ったものでした。 

投稿: 1954年卒業生 | 2010年6月 8日 (火) 15:45

1954年卒業生様

初めまして。
実際に通われていた方に書き込みいただいて、とてもうれしく思います。時々そういうことがあって、ブログを書いていて良かったなと思います。

滋賀大学が成立するのは1949年ということは、発足間もない頃の卒業生でいらっしゃるのですね。
講堂奥の建物は階段教室でしたか。
お話に出ましたので、少し写真を足しておきます。

陵水会館は親しみやすい建物ですが、教授の研究室でしたらまた違った印象をお持ちかもしれませんね。

貴重なお話をありがとうございました。

投稿: びんみん | 2010年6月 9日 (水) 02:18

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