春の彦根(4)スミス記念堂
彦根城の中堀(現外堀)のお堀端に、スミス記念堂という建物があります。
遠目には和風のお堂。でもスミスって?
実はキリスト教の礼拝堂なのです。
昭和6年に、アメリカ人牧師で、彦根高商(現滋賀大学経済学部)の英語教師でもあったパーシー・アルメリン・スミス氏が建設したものです。
細部を見ていくと、とたんにキリスト教らしい意匠がふんだんに現れます。
これは側面の入母屋破風のてっぺんですが、鬼瓦にはぶどうが2房。懸魚(垂れ下がっている部分)にもさりげなく十字架が抜かれています。
正面の唐破風の鬼瓦はさらに手が込んでいます。
ぶどうと十字架の透かし彫りも繊細です。
周囲の瓦全てに十字架のデザインが使われています。
虹梁にもぶどうと鳩?の文様がレリーフされています。
扉の十字架とぶどう。
装飾が全てキリスト教関連かというとそうでもなくて、扉には松竹梅に菊の和風文様もレリーフされていました。
ついでながら、石造の雨水枡にも十字架が入っています。
ところで、昭和6年にしては新しいのでは?と思われましたか?
実は2006年に再築されたばかりです。
スミス記念堂は、道路拡幅により、平成8年に一度は取り壊しが決まったのですが、保存する会が立ち上げられ、多額の募金により無事移転再築がなったとのこと。
しかも、昨年(2009年)12月25日には再築費用を完済したそうです(今後の補修のため募金は継続中)。
保存の難しいケースの多い中、うまくいった、いいお話だと思います。
以上の説明については、下記のNPO法人スミス会議のHPを参考にさせていただきました。
彦根の近代化遺産についても多数紹介されています。
○参考HP
NPO法人スミス会議
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コメント
木彫りの十字架だけ見ると、
西洋の教会みたいで、
日本建築とのギャップが面白いですねえ。
投稿: Bassman5911 | 2010年6月11日 (金) 11:10
Bassman5911さん、こんばんは。
和洋折衷にもいろいろありますが、
こういうのも面白いですね。
一見すると普通の日本建築なのが。
投稿: びんみん | 2010年6月12日 (土) 00:21