春の彦根(1)彦根城に登る

昨年(2009年)末に訪れて回りきれなかった彦根を、ゴールデンウィークに再訪しました。
→昨年末の記事「彦根レトロを探して(1)」
まずは前回、時間の関係でパスした彦根城へ。一つには彦根でお城は外せないため、もう一つは確認したい眺めがあったためです(後で紹介します)。
今回は普通の旅行ブログですが、我慢して(?)お付き合いください。
駅からお城に向かうとお堀端にいい感じの松並木「いろは松」があります。
さすがにゴールデンウィークの彦根城は車でいっぱいです。

しかし、堀沿いに北に曲がると静かな通りになります。
こちらは柳並木。

ここに埋木舎(うもれぎのや)というお屋敷があります。
彦根藩主として幕府の大老となり、日米通商条約や英仏露蘭との開港条約を結んだ井伊直弼が、17歳から32歳まで過ごした屋敷だそうです。当時の直弼は将来を約束されておらず、この中級藩士並の屋敷で、ただ学問や武芸に打ち込む日々だったとのこと。そんなに長い下積み時代があったのですね。
壁から突き抜けた梁に小さな屋根が掛けられています。湖北から美濃、北勢にかけて見られる壁面の家型装飾の原型はこういうものかと思いました。梁の腐食防止というのがよく分かります。

城内に入るとお城の櫓(再現)を使った開国記念館があります。
江戸時代が中心ですが、古代から近代までの彦根の城下町の変遷が展示されていて、私には興味深い展示です。料金は無料。
文化財などは、彦根城博物館に展示されています。
そちらはパスしました。

館内を一巡しても相変わらず車の列。
高速道路1000円の影響か、北陸方面からの車が多いような。
中央に見えている建物は、重要文化財の馬屋です。

この日は特別公開されていました。
21頭の馬がつながれていたそうです。
櫓よりこちらの方が好み。

うまく排水処理が考えられています。

入場料600円を払って、いよいよお城に登ります。
この日は、ひこ○ゃんに大行列ができていました。
相変わらずの大人気ですね。
お城に登る石段は、歩調が乱れて登りにくいように、意図的に不規則に作られているそうです。
最初はゆるやかな登りが登るにつれて急になったり、踏み幅や踏み高を微妙に違わせたりという、アンチバリアフリーな設計。非常時のためとはいえ、普段上り下りするお侍さんも大変だったでしょうね。
実際、距離の割に疲れました。

やがて見えてくるのが天秤櫓と廊下橋。
ですが、すんなりとは入れません。

いったん橋の下をくぐり、階段を登って、橋を渡ります。
かなり防御を考えた設計です。

さらに進むと最終関門である太鼓門櫓。

ここの石垣の一部は、元の岩盤を利用しているようです。

本丸からの眺めはとても良く、とくに着見台(つきみだい)からは北側の眺望が開けています。

<戦前の絵葉書 近江彦根 城山より楽々園八景亭及琵琶湖を望む>
※クリックすると拡大します
もう一つの目的というのはこの絵葉書の光景を確認すること。
天守閣からの写真なのかもしれませんが、本丸内であることは間違いなさそうです。
左手に松原の集落が見えます。
見比べて明らかに違うのは、昔の写真には内湖(松原内湖)が写っていることです。
松原内湖は昭和19年5月から昭和20年にかけて、食糧増産のために埋め立てられたそうです。
○参考HP
わたしたちの彦根「地域のはってんにつくした人々」

着見台からは、庭園の玄宮園も見下ろせます。
今回は時間がなく、訪れませんでした。

彦根城の天守(国宝)。
彦根城と城下町は慶長9年(1604年)から20年近くかけてつくられたそうです。
天守は大津城の天守を移築した可能性もあるとか。
天守には江戸時代から歴代藩主の甲冑などが収められていたそうですから、元から博物館みたいなものですね。
天守に入るには40分の行列ができていましたのであきらめました。

天守の石垣はごぼう積みという積み方だそうです。
あまりきっちり積んでなさそうに見えますが、実は奥行きがあって頑丈なんだそうです。

天守の西側壁面。
美しい。

昔は御殿があった西の丸も、今は公園のようで、新緑のこの頃はとてもさわやかです。

最後に西の丸三重櫓(重文)。
西の丸の北西隅にあります。
この建物もこの日は特別公開でした。
こちらは並ばずに入れます。

城下町の南方向を臨む。遠くに見えるのは荒神山。
ここからは城下町の南側や琵琶湖方面がよく見えます。
櫓の3層からはかなり眺めが良いです。

帰りは北に降りて、黒門から出ました。
桜や紅葉の頃も良いのでしょうが、新緑の彦根城もまた捨てがたい眺めです。
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