東淀川の不思議空間(後編)
東淀川の話の続きです。
高射砲台跡住宅を見た後、新幹線の高架をくぐり(実はここに中島大水道の碑があるのですが見落としました)、淡路公園をめざします。
このあたり、道が妙に広がったり狭まったり曲がったりと複雑なのは、中島大水道が流れていたからです。
古い住宅地なので、和洋折衷の長屋なども残っています。
しかし、それ以上に存在感があったのが、この建物です。
取り残された雰囲気の漂う建物。
「淡路工業会」という看板がかかっています。
味のある建物でしょう?
後で教えてもらったところでは、昔は交番だったそうです。
またこの周辺にも水路があったそうです。
実はこのはす向かいが淡路公園です。
昭和13年に整備された区画整理公園です。
古い公園は木が大きく育っていていいですね。
公園の西から東を見たところ。
冬なのでさびしいですが、子どもは元気に遊んでいます。
この公園で気になったのは藤棚、ではなくてその周りの柵。
藤棚自体は新しいですが、この柵はもう少し古くて、違った形をしていたように見えます。
古い門柱など眺めながらさらに東へ進み、城東貨物線をくぐって、鳩ヶ瀬公園を見に行きました。
こちらも昭和16年にできた古い公園です。
公園の東の方に記念碑のある一角がありました。
これはきっと区画整理記念碑です。
淡路土地区画整理記念碑でした。
裏を見ると昭和14年に建てられたことが分かります。
碑文は区画整理のデータだけが示された素っ気ないものでした。
淡路土地区画整理事業は、昭和6年に設立認可され、昭和14年に換地処分(新しい区画に権利が移動)が完了しています。→図面
両公園ともこの区画整理によってできた公園です。
より大きな地図で 近代の公園 を表示
両公園はこんな位置関係です。
鳩ヶ瀬公園では、区画整理記念碑以外にも気になるものがありました。
このベンチです。妙に脚が細いと思いませんか? 座面も四角いコンクリートの板ですし、もしかして戦前あるいは戦後すぐの古いものではという気がします。
1つしか残っていません。
公園の中にあったこの板も、「元ベンチ」なのでは?
日も傾きましたので、淡路駅に向かって歩きかけました。その途中、そら家さんというギャラリー喫茶を見かけました。暖かい灯がともり、凧がたくさんあって楽しそうなので、ちょっと寄り道。
古いものから新しいものまで、部屋いっぱいに伝統凧が展示されていました。
毎年この時期に『凧の世界』展を開催して12年目になるそうです。この企画展を企画された「凧の会・風人」のSさんがいろいろと説明してくださいました。
昔は各地にいろいろな種類の凧があったのが、徳島発の奴凧が全国に広まって消えていったこと。日本の凧は染料で染めるので陽に透けて美しいこと。凧は春にあげるものだということ。長崎にはハタという鮮やかなデザインの凧があり、互いの糸を切る競技をすること、など。
奥には広い喫茶スペースがあり、絵本も読めるようになっています。
地域のアート、文化拠点にもなっているそうです。
この日はNPOの新年会の準備をされていました。
活動について詳しくはこちらのブログをご覧ください。
「NPO法人 自由空間倶楽部ブログ」
東淀川の不思議空間は、道路建設が途中で止まっていたり、水路の跡があったりするためですが、最後にこんなギャラリーに出会えたことも不思議なご縁と思います。
淡路公園前の元交番のこともここで教えていただきました。
たいへんお世話になりました。また立ち寄りたいと思います。
ギャラリーNOVA「自由空間」
所在地:大阪市東淀川区淡路5-10-7NOVAビル1階
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コメント
こんばんは~
“淡路工業会”カワイイですね~今も使われているのでしょうか?『こんにちは~』と入りたくなってしまいますね~ お茶とかご馳走になっちゃたりして
あ、お茶はそら家さんでした
それから公園の足が細すぎるベンチ思わずプッと吹き出しちゃいましたよ
投稿: たんぽぽ | 2010年2月 3日 (水) 22:04
たんぽぽさん、こんばんは。
「淡路工業会」、この日は土曜日だったのでわかりませんが、たぶん使われていると思います。
ドラマでも使えそうですね。
ベンチはこの脚でよく残っているものだと思います。
投稿: びんみん | 2010年2月 4日 (木) 00:54