彦根レトロを探して(1)整備された商店街に悩む
年内最後の遠出をしました。
西か東か迷って、決めた行き先は彦根。何度も通過しながら、私には未踏の地です。『湖国のモダン建築』と地図を手に出かけました。
冬の湖北は曇りがちで、湖東の彦根はボーダーライン。あまりいい季節とは言えません。
朝、出遅れた上に、新快速が遅れて、薄暗い彦根に降り立つことになりました。
どうせ1日では回りきれないので、大まかに地理が把握できれば、ぐらいの気分で出かけたものの、思った以上に回れなかったことを最初に謝っておきます。ひこにゃんもヴォーリズも出てきません。裏を返せば、それだけ見どころがたくさんありました。彦根は江戸時代の町並みが売り物ですが、私はいつも通り、明治・大正・昭和初期のレトロ建築を中心に回りました。松江でも感じましたが、江戸時代の史跡が多い町はどうしても近代のものは後回しになるような気がします。
初めての街では、どちらに向かって歩きだすか悩むところです。
『湖国のモダン建築』で主要な近代建築は南にあることがわかるので、駅の観光案内所でマップを手に入れた後、南に向かうことにしました。
駅前通はまっすぐ彦根城に向かっています。
途中、佐和町商店街の筋で南に折れました。ここから銀座街まで4つの商店街が連なっています。
>商店街の地図
おいでやす商店街に入ると雰囲気が一変(上の写真)。彦根は商店街の修景が進んでいると思うのですが、ここは町家風(漆喰壁に瓦屋根)に修景されています。写真では見にくいでしょうか、木製の看板が張り出しています。
そして、このレリーフ瓦。「彦助」というキャラクターだそうです。
この彦助の瓦が各店の壁に使われています。
ちなみにここは何のお店か分かりますか?
ちょっと引いてみましょう。
「いちばん」という看板が下がっていますね。
正解は「パチンコ屋さん」でした。
徹底しています。
京町の交差点で大きな通りとクロスします。
街歩きをしていると、「京町」というのはポイントになることが多い地名という気がします。
このあたりは東西に長い京町商店街です。
途中の蔵で見かけた、松皮菱の木製留め具。
ちょっとおしゃれです。
歩いていくと大きなお屋敷があって、塀の上にコンクリートの壁が見えました。
表札を見ると「滋賀銀行志賀寮」と書かれています。滋賀銀行の前身の一つは彦根の百卅三銀行ですので、誰か関係者のお屋敷だったのでしょうか。
別の角度から見ると洋館付き住宅の洋館部分であることが分かります。大正末〜昭和初期か。
登り町グリーン通り商店街に入るとまた雰囲気が変わります。
アールがついているので古い建物かもしれないけど・・・
ここは茶色い壁(マリア・テレジア・イエローという色らしい)に修景してあります。
足元には現代版スクラッチタイル。これも各店で共通して使われています。
商店街の整備は支持したいのですが、まち歩きをする人間には、どれが古いのやら、オリジナルなのやら分からずに悩みますね。
ちなみに登り町グリーン通りの終点は、江戸時代以来の繁華街「久佐の辻」で、滋賀中央金庫銀座支店(大正7年)が建っています。これは改めて紹介します。
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コメント
登り町グリーン通り商店街は確かにどれが古いのやら、オリジナルなのやら分かりにくかったです。そんなときは裏に回ったりするのですが、なかなか判断は難かしいですね。
彦根も過去に1回、半日歩いただけなので、再訪せねばです。
まあ、そんな場所ばかりなのですけれど。
投稿: ひろ009 | 2009年12月30日 (水) 09:31
ひろさん、こんにちは。
やはり同じようなところで迷われてますね。
>彦根も過去に1回、半日歩いただけなので、再訪せねばです。
>まあ、そんな場所ばかりなのですけれど。
まさに同じような状況です。
「旅先には行き残したところを1つは残しておいた方がいい。」という言葉を教えてもらったことがあるのですが、1つどころではないのが毎回のようです。
投稿: びんみん | 2009年12月30日 (水) 11:07