初めての北海道(8)釧路の老舗そば店
釧路での昼食。
どこか面白いところがないかなと探すと、近代建築好きには(一般の観光客にも?)格好の竹老園東家総本店がありました。
旧市街からは丘を挟んで向こう側の、春採湖近くにあります。
私はバスで富士見まで行き、坂を下りました。
上の写真は、坂を下る途中に見た普通の住宅です。
地元では当たり前でも、大阪から来た私には物珍しい。
煙突というと、近代建築か伊達かという地方から来ると、普通に煙突が付いているだけで新鮮です。
ただ、新しい住宅では電化のためか、煙突のないものも多いようでした。
木の柵にたんぽぽ。
こういう景色にも心ひかれます。
竹老園東家総本店はすぐ見つかりました。
一般客向けの店舗部分とは別に、(昭和初期の?)石積の武骨な門が総本店の座敷への入口です。
正面の唐破風付きの建物が、昭和2年にできた主屋です。
建築家は細貝熊吉とのこと。主屋以外の建物は昭和10年以降の増築だそうです。
当時は建物の前まで春採湖が迫り、人家は少ない風光明媚な場所で、蕎麦屋「東家」の当主・伊藤竹次郎の隠居の場として選ばれたはずが、完成後には蕎麦屋を再開して、総本店となったそうです。
(『道東の建築探訪』、p75)
主屋前に架かる橋は、欄干に木の枝や竹を摸した柱がはさまって不思議な趣味です。
お店の方にお願いして、建物の中を見せていただきました。
インパクトがあるのが、増築部の廊下が折れる突き当たりにあるステンドグラスです。
斜めから見れば分かるでしょうか、皿状に凹んでいます。
この部分が特に凝っています。磨りガラスもそれぞれ、いろいろなものを組み合わせていますね。
廊下は折れ曲がりながら続き、たくさんのお座敷があります(別料金で、こちらでも食事できます)。
斜面を生かして建てているので、高低差もあります。
階段も廊下も長く、かなり広いお店です。
もちろん食事もいただきました(一般向け店舗で)。
奥がソバ寿司、手前が鶏のスープです。
変わってますでしょう。
緑のソバ寿司はさっぱり、スープはこってりした味でした。
東家自体はチェーンで、市内のあちこちで見かけましたが、建築やお庭も見られますので、時間があれば総本店で食べた方がいいかなと思います。
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コメント
こんにちは。
そうですか~。私たちにとって見慣れた家屋も、道外の方には珍しいのですね(笑)
煙突があまり見られなくなったのは、電化の影響も大きいとは思いますが、最近の灯油ストーブは壁に穴を開けて細い給排気筒が設置される「FF式ストーブ」が主流になっているので、徐々に煙突は使われなくなってきているんですよね。
あと、釧路は道内では降雪量が少ない地域なので緩傾斜のトタン屋根でも雪が落ちるのですが、降雪量が多い地域では古い家屋はもっと傾斜が急なように思います。新しい家屋は融雪システムがしっかりしているので平らな屋根が多いですが。
それと、十勝のオススメの時期、以前7月上旬と書きましたが・・・上旬だと少し早いみたいです。中旬すぎの方がじゃがいもの花がきれいでした。(今年は悪天候により遅かったので下旬が見頃でした)
投稿: かたろう | 2009年8月 6日 (木) 13:22
かたろうさま、こんばんは。
解説ありがとうございます。
福井に住んだことがあるので、二重窓や屋根の雪止めなどはなじみがあったのですが、煙突や玄関のサンルームなどは新鮮でした。
FF式ストーブに屋根の融雪システムですか!
それは思いつきませんでした。
屋根の傾斜にも地域性があるのですね。
十勝のオススメ情報もありがとうございます。
また見にいけるといいのですけど。
投稿: びんみん | 2009年8月 6日 (木) 22:47