初めての北海道(5)釧路の南大通
今回は釧路の旧市街である南大通周辺を紹介します。
この写真は釧路キャッスルホテルから、南大通の方向を見たところです。
南大通は明治・大正時代の釧路のメインストリートでした。
かつては幣舞通や真砂通などと呼ばれていたようです。
より大きな地図で 北海道 を表示
南大通は幣舞橋から港に向かっていく通りです。
南大通の前にちょっと寄り道。
明治41年、わずか2ヶ月間でしたが、石川啄木が釧路新聞社勤務のため、釧路に滞在しました。
その釧路新聞社社屋が平成5年に復元されて、港文館という郷土資料館・休憩施設になっています。
※話の流れで実際に回った順とは逆に紹介しています。
既に閉館後で中は見られませんでした。
港湾部なので古い蔵も残っています。
ここから南大通です。
ちょっとレトロな雰囲気の建物がありました。
KAビルディングと書かれています。
もともと北陸銀行釧路南支店だった建物を、南大通の雰囲気に合わせて修景したものだそうで、1994年に釧路市の都市景観賞を受賞しています。
今年1月に南大通ギャラリーという画廊・カフェが入っています。
これからこんなお店が増えたらと、ちょっと期待させられます。
向かいの坂の途中にある建物は、半屋外の通路が木の手すり・柱で雰囲気があります。
(追記)
釧路在住の方からの情報で、2010年11月に解体されたそうです。(2010.12.3記)
通りでラスカベツという紅茶専門店を見つけました。
15年も前から営業しているそうです。その頃からフェアトレード製品を扱っていたとのことで、今も無農薬の紅茶やフェアトレードのチョコレートを扱う、かなりのこだわりの店です。
元は祖父母の代から酒屋さんをされていたのだとか。
こんな洋風の店舗もあります。
残念ながら使われていないようです。
木枠の縦長の上げ下げ窓で、補修したらかなりきれいだと思うのですが。
軒下の持ち送りは、北海道の特徴でしょうか。
(追記)
釧路在住の方からの情報で、2010年11月頃に解体されたそうです。ショック。(2010.12.3記)
同様の建物で、(有)キヨエさんという事務所があります。
船具を扱っているそうです。
やはり軒下の持ち送り。
この建物などもそうです。
南大通りから港の方に入っていくと、下見板の住宅などが残っています。
釧路では瓦の建物はほとんど見かけません。
しかし、他でも見たのですが、なぜかこのような鬼瓦風の木の彫り物が乗せてあります。
鬼瓦の代わりなのでしょうか。
これも下見板の事務所のようです。
港関係の事務所、倉庫などがあります。
これは新しいかもしれませんが、やはり下見板の建物。
これも。
この建物は押し縁下見板です。
『道東の建築探訪』に載っていて、昭和25年のH家住宅です。
海運と港湾荷役業を営んでいたそうです。
古い港町によく似合います。
最後に蔵を一つ紹介します。
洲崎町なつかし館「蔵」として活用されている旧佐々木米太郎商店倉庫です。食糧雑貨店の倉庫だったそうです。珍しい瓦葺き。大正4年築の蔵でかなり傷んでいますが、市民有志が地道に補修をしながら郷土資料館に活用されているそうです。
南大通周辺はかつて賑わっていたというのが信じられないぐらいに空き地が目立ちます。けれど、気になる建物はちょこちょこと残っていますし、実際、活用もされはじめているようでした。
(追記)
釧路の古い絵葉書が入手できました。
南大通のあたりかなと思います。
かつてはこれだけ建て込んでいたのですね。
(2017.6.25記)
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コメント
びんみんさん、こんにちは!来月でこちらに移住して三年が過ぎます。そして先日初めて喫茶店「ラスカベツ」に友人夫妻と行くことが出来ました。お二人も以前からずっと気になっていたけど入ったことないと言って。びんみんさんは入られて話を聞いたのでしょうね。食べ物一切なくて、珍しい国の紅茶やコーヒーが沢山でした。何だか昔の喫茶店そのものって感じの店内。フェアトレードのチョコレート(イギリスのDevine社)はお高かったけど、一本買って分け合いました。甘いもの苦手の私でも美味しいって思いました。お店の名前の由来はチェコ語の「紐鶏頭」だそうです。今朝の最低気温は氷点下18度。幸いお日様が出ているので助かります。今年も色々な所へ誘ってください!
投稿: まあちゃん | 2013年1月12日 (土) 10:16
まあちゃんさま、コメントありがとうございます。
意外にも初めてだったのですね。私は少しお話を伺いました。
私もその時、チョコレートを買って食べたような記憶があります。すごくこだわっているお店なんですけどね。私が行ったときはお客さんが少なくて・・・
そこにあるのはとても意味のあることなのだけど、惜しいなと思います。
投稿: びんみん | 2013年1月12日 (土) 10:32
びんみんさん、おはようございます。1月21日は石川啄木来釧105年の日でした。10年前からこの日を「雪あかりの町・くしろ」として港文館から南大通りのゆめ公園(派手なお寺か神社のある真下)まで、300のアイスキャンドルが並び、有料・無料の様々なお店が温かいものを提供してくれます。私は初めて友人夫妻と出向きましたが、寒さも少し落ち着いていたのでとても楽しかった。あの「ラフカベツ」にも結構多くのお客様が団欒していました。それでお恥ずかしいのですが訂正させていただきます。前回のコメントで間違いをしました。このお店に置いてあるチョコレートはDivine社のものでiとeを間違えております。許すのは神・・・だからって思いますが気がついたので。最後に全くレトロな雰囲気で一日限りの「TAKUBOKUカフェ」で6種類もある啄木弁当を頂きました。啄木の短歌や詩に出てくる素材などを調べて作ったそうですが、本当に3人で唸るほど懐かしさと美味しさを味わいました。室内は電気を使わずキャンドルのみで、ウエイトレスさんたちは大正を思わせる黒のワンピースに可愛らしい昔風のエプロンと頭にティアラみたいなレースのヘアバンド(?)雰囲気抜群でした。人それぞれ好き嫌いはあるにしても、私はつくづく石川啄木の偉大さを知りました。
投稿: まあちゃん | 2013年1月23日 (水) 10:44
まあちゃんさま、こんばんは。
石川啄木ゆかりのイベントのご紹介ありがとうございます。
啄木はこの寒い季節の釧路で暮らしたのですね。
随分凝った企画があって楽しそうです。
啄木が知ったらびっくりするでしょうね。
投稿: びんみん | 2013年1月26日 (土) 21:41