「前衛都市モダニズムの京都展1895-1930」(京都国立近代美術館)
京都国立近代美術館で開催中の、「前衛都市モダニズムの京都展1895-1930」を見てきました。
前日がいわば「モダニズムの大阪展1937」でしたから、その前の時代になります。
今回の企画展でメインになっていたのは、まさに美術館のある岡崎公園で開催された第四回内国勧業博覧会です。都市建設と美術の関係、伝統美術と西洋美術の関係などが提示されて、また新しい見え方が現れていました。
例えば建築パース。
初めて試みる人にとっては新しい絵画表現なのですね。
樹木が水墨画のようで美しい。
琵琶湖疎水工事を描いた絵画、図解も興味深いものでした。
日本のモチーフを洋画の構図で描いた絵、
逆に洋画の掛け軸なども、言われてみれば、と影響に気付かされます。
今まで見たことのある絵もあるのだけれど、違って見えます。
第四回内国勧業博覧会(1895年)の展示では、とくに平安神宮の紹介に多くを割いていました。
木子清敬・伊東忠太による設計の図面がたくさん出ているのですが、躍動する青龍と白虎をそのまま池の形にした図面には、思わず航空写真を確認してしまいました。残念ながら明確には分かりません。
伊東忠太のアイデアなのでしょうか。
ワグネルが化学面で指導した七宝、陶芸などの展示は、伝統工芸の伝統イメージを変えるものでした。
京都のまちなかに散在する近代建築のイメージにとどまらず、
京都の伝統というイメージをかなり変えてくれる展覧会になっていたと思います。
最後に1階に戻ってデトロイト号を見ました。
これだけは撮影可能です。
島津製作所社長が通勤に使っていた電気自動車で、島津家の○に十字の家紋入り。
自宅はインターナショナル建築の島津邸(現・日本バプテスト病院)ですのでかなりモダンな生活を体現しています。(旧島津邸は会期をもって解体と書いてあったような)
この展覧会は7月20日(月・祝)まで。
京都・岡崎公園の京都国立近代美術館で開催中です。
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