初めての北海道(15)網走市立郷土博物館
網走で近代建築というと、網走市立郷土博物館は外せません。
『道東の建築探訪』の表紙も飾っている建物です。
非常にインパクトのある建物なので、てっきり街中で道路の突き当たりにアイストップとして建っている建物と思いこんでいたのですが、実際には街に背を向け、森にうずくまるように建っていました。
足元には青磁釉っぽいスクラッチタイル、色の付いた壁面もタイルです。
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永専寺から南へ、線路を渡った向こうにあります。
一面の森なのでちょっと道に迷いそうになりました。
裏側(北側)には部屋が張り出しています。
元々この建物は、昭和11年に北見郷土館として建てられました。
初代館長・米村喜男衛氏の収集した考古・民俗資料が基礎となり、網走の自然と歴史に関する資料が展示されています。剥製がいっぱい。
寄付金が足りなかったため、こう見えて木造だというので驚きます。設計者はフランク・ロイド・ライトの弟子の田上義也とのこと。
中からの印象は外からと違って、ステンドグラスがカラフルな光を発しています。
岩石標本の断面のような複雑なモザイク状で、何か文字が隠れているのでは?などと思わされますが、読み解けませんでした。
階段室は白と焦げ茶でシンプルながら、とても複雑な造型で、らせん階段がドームの3階に続いています。残念ながら登れません。
天井は中央が高くなっていて、やや独特。
展示には昔の網走の地図や写真、民具などもあり、興味深く見学しました。
分館としてモヨロ貝塚館もあるので、貝塚関係はそちらにあるのかもしれません。
ここまで来たのでついでに網走神社にも立ち寄りました。
森の中に長い参道が続いています。
網走神社は文化9年(1813年)、近江の藤野四郎兵衛が漁場鎮護のために祭ったのが始まりで、明治41年に現在地に移ったそうです。祭神は市杵島姫命ほか。厳島神社の祭神です。釧路にしてもそうでしたが、住吉の神ではなく、厳島の神を祭るのですね。北海道の場合はそうなのでしょうか。あるいは近江の人が多いために、竹生島の神様を祭ったのでしょうか。
社務所は、明治28年頃建てられた藤野家の迎賓館を移築したもの。
藤野家は網走の漁場持、豪商であったそうです。
拝殿・本殿までは白い道が続いています。
これが白砂かと思いきや・・・
ホタテ貝の貝殻!
白砂は手に入らないのかもしれませんが、むしろ網走の神社らしい参道になっていると思います。
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