初めての北海道(14)網走監獄博物館
網走といえば、冬の流氷を除けば、網走監獄が最も有名な観光地でしょう。
網走監獄は、網走郊外の天都山の麓に移築されています。
歩ける距離ではないのでバスに乗り、ついでなので、網走監獄を通り過ぎて、天都山でバスを降りました。ここには展望台があります。
より大きな地図で 北海道 を表示 位置としては上の地図で旗が立っているところです。
標高207mと高くはないですが、急坂を登る感覚があります。
東側は網走の街からオホーツク海、知床半島まで見渡せます。
反対に西側は網走湖・能取湖が一望できます。まさに絶景。
バスの本数が少ないので、ここからとっとこ坂を下りました。
坂がきついので逆ルートはやめた方がいいと思います。
坂を下ること20分、「博物館 網走監獄」に到着しました。
監獄前の川にかかる鏡橋を渡るところから再現されています。
(ちなみにバスでは、現在の刑務所の前も通ります)
チケット売り場を抜けて最初にあるのが監獄の正門。
大正13年に建てられた正門の再現構築です。
囚人の人形がお出迎え。
移築復元された網走刑務所旧庁舎。
明治45年の擬洋風建築です。
竪穴式住居にも見えますが、これは囚人が遠方で作業するときに建てた「休泊所」という仮小屋の再現です。
中もちゃんと再現してあって、さらには一部の人形が動きます。
メインは五翼放射状舎房です。
明治45年の建物の移築復元。
その名の通り、扇の要にある中央見張から放射状に5つの翼が伸びています。
翼の1つ。廊下の両側に雑居房・独居房が並んでいます。
独居房の内部。
監獄の浴室です。監視に都合良く作られているので、銭湯とはかなり趣が違います。
大正8年頃につくられた独立の独居房。
イギリス積みの煉瓦造です。
懲罰用に窓がない房らしいです。
教誨堂は明治45年の建物の移設復元です。
これ以外にも農場や裁判所など様々な建物があり、とても短時間では回れません。
今まで、ハノイのホアロー刑務所博物館や青島ドイツ式監獄博物館を見たことがありますが、それらよりも規模が大きく、またテーマがハノイ・青島では植民地支配の歴史が主なのに対して、網走では開拓や刑の歴史、囚人の扱いが中心というのが異なります。
専用の展示館もあってかなり見応えがありました。
私は駆け足でしたが。
再びバスに乗り、街中に戻りました。
街中に永専寺というお寺があり、その山門が上の写真です。
何となく見覚えがあるようなと思うかもしれません。
明治45年に建てられた監獄正門を、大正13年に移築したものです。
なぜお寺に?かというと、このお寺の住職さんが、監獄で一時教誨師をしたり、免囚者の保護事業に努めた方だったからだそうです。
とくに両側に張り出したドーム屋根の番所が印象的です。
煉瓦はフランス積みで、灰色煉瓦のストライプがアクセントになっています。
囚人は鉄道、道路、港、農地の工事に駆り出され、建物は今は観光地ともなって、監獄と街は深く結びついているようです。
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