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2009年7月23日 (木)

初めての北海道(12)釧路湿原の馬車鉄道跡

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釧路の話の最後に釧路湿原のことを。
今回の旅行はタイトルにもあるように初めての北海道でしたので、より北海道らしいところということで、釧路湿原が行き先のイメージにありました。

 

調べてみると釧路湿原は非常に広くて、当たり前かもしれませんが、真ん中には入れないのですね。周囲から見ることになります。鉄道アクセスの東側か、バスアクセスの西側か、あるいは車や観光バスで一周か、ツアーで入る北側か。鉄道は網走に向かうときに通るので、バスアクセスの西側にしました。

 

この日はどんより金曜日。釧路の駅前から出るバスは、2〜3組の観光客と特別学習の小学生たち、そして病院通いの地元の人らが乗客でした。バスは大きく南に下りてから末広町のあたりを回って北に向かいます。それなら駅前まで行くことなかった・・・

 

バスは鳥取の町を抜け、湿原をかすめて丘に登ってゆきます。
小学生たちはそれぞれのミッションがあるらしく、数人ずつ、いくつかの停留所に分かれて下りていきました。この頃の小学校の授業というのは随分活動的ですね。
私と同じく釧路市湿原展望台で下りる子供たちもいます。

 


より大きな地図で 北海道 を表示 私の選んだコースはガイドブックに紹介されていたものの1つで、釧路市湿原展望台から温根内ビジターセンターまで歩く、だいたい2時間コースです。逆コースは上りになるのできついでしょう。
バスも2時間に1本ぐらいあるので、うまく帰りのバスに乗るという算段です。

 

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最初は林間をぬう木の歩道を下っていきます。
そしてまた登る。

 

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着いたところはサテライト展望台です。
ここからの眺めが絶景。
湿原から数十mの高さがあり、湿原に張り出した岬のようです。

 

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横で都会からの(?)小学生たちにネイチャーガイドさんが解説するのに聞き耳を立てていると、「サバンナのような景色という人もいます」とまさにそんな感じ。でもずぶずぶ沈みますと。
色の薄いところはヨシが生えて水の流れているところ、濃いところはハンノキが生えているところです。昔に比べて随分、ハンノキの生えているところが増えてきているそうです。
姿は見えませんが、様々な鳥の鳴き声がします。
見えないところにタンチョウヅルの営巣地もあるそうです。

 

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小学生たちは引き返しますが、私は湿原に下りていきます。
後ろで「かさっ」と音がしたので振り返ると(ヘビかと思って)、丸太のステージにエゾシマリスが現れました。なんとかわいい。何かを一所懸命食べています。

 

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下りきると、小さな沢の中に降り立ちます。
といっても木の歩道がありますから快適ですが。
両側にヤチボウズが見られます。スゲ類のくさむらが凍結隆起と周囲の浸食を繰り返すうち、坊主頭のようにぼこぼこと盛り上がったものらしいです。逆にヤチマナコという水のたまった落とし穴状のものもあります。

 

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やがて湿原と丘の間を走るまっすぐな地道に出ました。
今は「釧路湿原探勝歩道」という遊歩道ですが、馬車鉄道が走っていた鶴居軌道の跡です。
よくこんなところに通したと思います。
歩きやすい道なんですけど、足元の草が濡れているので靴にしみますのでご注意。防水タイプの靴をお勧めします。

 

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説明板も立っています。
昭和3年に釧路駅の西隣の新富士駅から鶴居村の中雪裡駅まで開通したそうです。戦後はディーゼル機関車が走り、昭和48年に廃止されたと書かれています。

 

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道はまっすぐですが、林を抜け、草原に入るなど変化があります。川を越えるこのあたりなどとくに美しく、多くの鳥たちで賑やかでした。

 

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それにしても誰もいません。
「道の向こうに誰かいる」と思ったら、タンチョウヅルでした。
警戒心が強いのですぐ飛んでいってしまいましたが、それぐらい誰もいません。
このヨシ原のあたりです。

 

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このフキの化け物みたいな植物、どこにいってもあります。

 

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とうとう誰にも会わないままに、温根内のエリアに入りました。
ここは遊歩道が大きく湿原の中に張り出しています。

 

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その一番先。海辺にいるような気分です。
ここもまたお勧めできます。
この歩道整備には非常にお金がかかっているそうですが、入園料を取られるわけでもなく、これでいいんでしょうか。

 

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ワタスゲ。

 

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イソツツジ。
などとイラストや写真付きで表示板が備え付けてあります。

 

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途中には真新しく改修された歩道部分もありました
この後、サテライト展望台で会ったガイドさんに再会。ここにもいたのかと、ちょっと驚かれました。
このコースは遠望もでき、湿原の中にも入れるのでいいコースだと思います。

 

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温根内のビジターセンターに到着。
釧路駅で買っておいたおにぎりを食べました。

 

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帰りもまた小学生と一緒です。
途中のバス停で、先生や子供たちがどんどん乗り込んできました。

 

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バスは途中、鳥取の町を通ります。
その名の通り、鳥取藩が入植した土地です。
ここに鳥取神社があり、お城のような記念館が建っています。

 

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鳥取にはまた日本製紙など製紙工場があります。
このあたりも次に機会があれば歩くと面白いのではないかなと思います。
まだまだ再訪への楽しみも残しつつ、今回は釧路を後にします。

 

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コメント

えーっと25年ほど前に釧路川をカヌーで下っておりまして~
川から釧路湿原を見ておりましたが、視点が低いので
遠望が効かず、泥臭い川やねんなぁーで終わってしまいました(^^;;;
屈斜路湖から釧路川は始まるんですが、源流部はそれこそ原野って感じで
当然、陸からにアプローチができません。
今は、どうなっているんでしょうねー
ああ、25年もたってしまったのねんと思うばかり・・・

投稿: 路爺 | 2009年7月23日 (木) 23:22

路爺さん、コメントありがとうございます。
25年前、釧路湿原もそれほど注目されていなかったのでは?
泥臭い川ですか。そんなものかもしれません。
どうなっているのでしょうね。
上の地図をずるずる引っ張ってみると、弟子屈のあたりは農地化されているようにも見えます。

投稿: びんみん | 2009年7月24日 (金) 00:12

カヌー乗りの間では、原野の風景として有名な川でした。
ラムサール条約直前の頃で、そろそろ騒ぎ出すかなって感じの頃かな?
NHKなんぞが特集組んでいたような?
湿原までの部分は、大部分牧場ですね、25年前も
問題やったのは、曲がりくねった部分を無理やりまっすぐにする
ショートカット工事、これがどこまでこの原始の川で進んでいるのか?
機会があれば、川から町を眺めるのをお勧めしますね。
淀川なんて「えーここが枚方?」って思えますよ。

投稿: 路爺 | 2009年7月25日 (土) 06:01

路爺さん、おはようございます。
カヌー乗りの方は早くから注目されていたんですね。
写真や地図で見る限り、ところどころショートカット工事の様子は見て取れます。
先日、旭区で淀川を眺めて、ここが大阪?という感じを受けました。枚方ならなおさらでしょうね。
川から眺める町、機会ありましたら見てみたいと思います。

投稿: びんみん | 2009年7月25日 (土) 11:38

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