初めての北海道(4)釧路の土着的建築
今回、釧路で泊まったのは、幣舞橋の南たもとにある釧路キャッスルホテル(HP)でした。
できれば近代建築や古いホテルに泊まれたらと探したのですが見つけられず、なんとなく選んだのがこのホテルです(そういうときはローカルホテルを選びます)。1987年の建築です。
船の形をしたホテルというのは、ふーんと読んでいたものの、毛綱毅曠(もづなきこう。毛綱モン太とも)という建築家の作品というのは後で知りました。
この方は釧路出身で、釧路には多くの作品が残されています。
いつもの近代建築と違って、現代建築を紹介します。
まず釧路キャッスルホテルから。
釧路川を望んで立っています。
船と言えば船ですが、色合いもあって、もっと土でできたような土着的なものに見えます。ちなみに右のモダンな建物は日本銀行の釧路支店です。
ロビーに入ると、天井には布のドームがあります。
土や布の素材を感じさせて落ち着く空間で、私は気に入りました。
何段にもなったエレベーターの壁。近代建築にも通じるデザインですね。
「掃除しにくそう〜」というのが最初の印象でした。
部屋(ツインルーム)はこんな感じです。
2色に塗り分けられています。何でしょう、壁の斜めの段差は。
天井で2つの色がぶつかる部分に小さな波頭が立っているんです。
芸が細かい。他の部屋はどうなんだろうと気になります。
幣舞橋をはさんで斜め向かいにある釧路フィッシャーマンズワーフMOO(1989年)も毛綱建築です。
とくに夜、照明が入ると未来的な感じがします。
丘の上にある釧路市立博物館(1984年)もまたそう。
タンチョウヅルが羽を広げたイメージだそうですが、ここも土を感じさせる(古代的なといってもいいかも)建物です。
釧路市湿原展望資料館(1984年)も土を感じさせます。
モデルはヤチボウズという植物の塊だそうです。
私は地域に根ざした、個性によらない建物を見て回ることが多いのですが、地元出身の建築家が個性的であったがために、個性的な建物群ができてしまったというのも面白いことだなと今回思いました。
余談ながら、毛綱毅曠氏は丸亀の小学校もつくっていて、さすがバサラの丸亀と感心しました。
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