萩児童公園とラジオ塔(京都市左京区)
大阪都市文化研究会(都文研)の例会に参加して、京都市左京区の郊外住宅地を歩きました。
地下鉄の北山駅から歩き始めて、すぐに洛北土地区画整理組合(昭和5年竣成)の施行地に入ります。それについては別に報告しますが、施行地内に、萩児童公園という公園がありました(昭和15年指定)。
入り口は4分の1円弧のしっかりしたコンクリートづくりで、煉瓦タイルを貼った門柱4本が迎えてくれます。
ジグザグに貼られたタイルはこういうデザインなのでしょうね。
ゆるい四角錐の頂部がかすかにアールデコ。
公園の隅に、洛北土地区画整理竣工記念碑が建ちます。
記念碑は事務処理が完了して記念式典が行われた昭和9年のものです。
公園の一角は一段高いテラスになっています(奥の部分)。
東京の震災復興小公園を設計した井下清は、「児童と成人の利用の錯綜を平面的に区画するよりは施設に於て特色づけ、児童の遊戯は成人の鑑賞となるも、成人の休養地は児童には何等感興なきものと為す如き「テレス」は、此目的を達する方策の実現である。」と述べているらしいので、この部分はそういうテラスでないかと思います。
東京の震災復興小公園は、全国の児童公園のモデルになっていました。
案内役の方が気付かれたのですが、この公園の中にラジオ塔(ラジオ放送普及のために建てられ、ここからラジオが流れた)が残っていました!
JOOK(NHK京都放送局)の文字がありますので間違いありません。
→他のラジオ塔についてはこちら ラジオ塔については、現存する物をネットで調べたりしましたが、この公園内のラジオ塔については見たことがありません。
今まで見たものは帝冠様式というか和風のものが多かったのに対して、これはシンプルでモダンなデザインです。
(追記)
タイミングの良いことに、京都新聞にラジオ塔の記事が載りました。
京都新聞2009年4月9日「ラジオ塔遺構、京に7基現存」 この記事によると、京都で現存が確認されているのは、
円山公園(東山区)、萩児童公園(左京区)のほか、船岡山公園(北区)、紫野柳公園(北区)、小松原公園(北区)、橘公園(上京区)、御射山公園(中京区)だとか。
確認されたのは良いけれど、見つける楽しみがなくなったような・・・
(2009.4.9記)
またこの公園にはセセッション風の国旗掲揚台らしきものもありました。
比較的古いものが残り、思いがけず収穫のある公園でした。
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