洋風付きの永山園(堺市)
久しぶりに大阪の話題です。
以前から、堺に永山園・丸保園という地名があるのが気になっていました。
名前からしていかにも郊外住宅地です。南海高野線が堺東駅を出て、上町台地から仁徳天皇陵に連なる台地を切り通しで抜けるあたりにあります。以前取り上げた中三国ヶ丘町や南三国ヶ丘町の住宅は線路の向こうです。2月の初め、現地を確かめに行きました。
三国ヶ丘駅からスタート。
駅舎は昭和17年?
ほぼ高野街道に沿って歩いていきます。
永山園に入っても最初はそれほど古い住宅がありません。
左側が東永山園です。期待外れかという気持ちに。
永山園の中には永山古墳があります。永山園は永山古墳、丸保園は丸保山古墳にちなんだ名称なのでしょう。永山古墳は百済から来日した学者・王仁の墓という伝承もあるそうです。今は、堀が釣り堀になっています。
中永山園でようやく郊外住宅地らしい住宅が現れました。
杉皮壁の和風住宅です。一体的な生垣もそれらしい。
赤、青の瓦の取り合わせが美しい住宅。
小屋裏の換気口が木製なので、それなりに古そうです。
ついに洋風の住宅が現れました。
間違いなく近代の郊外住宅。
門扉のデザインから、丸窓、腰壁の下見板、木製の玄関扉、軒を支える柱、持ち送りまで、古い意匠を残しているようです。
洋館部分に派手さはありませんが、洋館付き住宅のタイプでしょう。
そして思わずぞくっとしたのが、五連の洋風長屋。
右端の家だけ間口が広くて、大家さんなのかもしれません。
一軒一軒デザインが微妙に違うのが面白いところです。
鮮やかなスカイブルーで縁取られた一軒。
多少高台にあるのですが、さらに盛土されています。
階段に汲み取り口が?
向かいにもまた洋風の住宅が並んでいます。同様に盛土で石垣が積まれ、階段で出入りする形になっています。
こちらは蔵のようなブロック積みの建物。
事務所として使われています。
これも和洋折衷の住宅。
盛土に石垣、石の門柱を立てています。
住宅本体は腰までタイル張り。
残念ながら空き家です。
立派な洋館付き住宅もありました。
洋館部分は洋風控えめですが。
この住宅の見どころは階段のカーブ。
美しく仕上がっています。
気になるのは永山園の開発時期ですが、永山園・丸保園の町名ができるのが昭和8年ですので、その頃が開発時期かと思われます。見た目にもそんなところですので。
思った以上に古い住宅が残っていました。
次回は丸保園を紹介します。
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コメント
こんにちは
元・堺市民&三国ヶ丘駅の周辺もちょこっとだけ歩いたことがあるのですが、永山園・丸保園のことを知りませんでした。
へぇーっ!こんなところがあるのか。
なろほど、地名(町名)から色々類推するわけですね。
投稿: ひろ009 | 2009年3月13日 (金) 07:20
ひろさん、こんばんは。
堺東の東側に郊外住宅地がありますが、その続きという感じもします。
○○園、○○荘(園)、○○丘は郊外住宅地でよくある名前ですよね(○○丘は戦後もずっと使われているので分かりにくいですが)。
投稿: びんみん | 2009年3月13日 (金) 20:26