五百羅漢跡の福島公園(大阪市福島区)
下福島公園に続いて、福島公園を紹介します。
福島公園はJR環状線・福島駅の南西にある小さな公園で、大正14年に葬儀場移転跡にできた公園です。福島区では一番古い公園です。葬儀場跡と思って見ると陰鬱に見えてしまいます。
葬儀場跡の公園と書くとタイトルにインパクトがありすぎるのでやめましたが、五百羅漢跡というのも間違いではありません。
地図で確認してみます。
<大正13年発行 パノラマ地図>
パノラマ地図に五百羅漢と書かれています。
煙突が立っているのは、焼き場の煙突なのでしょう。
<大正10年測図>
福島公園のだいたいの位置を網掛けしました。
五百羅漢は、黄檗宗の妙徳寺というお寺です。
摂津名所図絵に載るぐらいの名所でしたが、明治42年のキタの大火で焼失、大正6年に一度は再建されますが、南側百数十坪を火事を機に大正元年に開通した市電路線に、北側数百坪を市営葬儀場用地として大阪市に譲渡し、その後、東大阪市の額田に移転していったそうです。
→以上は、井形さんという方が大阪春秋に書かれている内容を参考にしました。
なにわ福島資料館「五百羅漢寺の後日物語−福島から東大阪額田へ−」
赤丸を付けたところは、旧川崎貯蓄銀行福島出張所(ミナミ株式会社大阪事務所)です。
妙徳寺の境内だった一角に、昭和9年に竣工しています。
小さいのに映画のセットみたいな貫禄があります。
妙徳寺の移転理由は、周辺が繁華になったためとのことですが、大正の初めにできた市営葬儀場が大正の終わりにはもう移転してしまったのも、急速な都市化に原因がありそうです。
北斎場(長柄)か佃斎場に統合されたのでしょうか。その経緯は未確認です。
公園には注意をひくものはあまりなく、ただ、円形のコンクリートベンチが設えてあります。
面白かったのは、公園の門柱の上に盆栽の鉢が置かれていたこと。
花が一輪咲いています。
(ちょっと背景がごちゃごちゃして分かりにくいですね。)
向かいの家の人が置いているのでしょう。
この行為をほめていいものかどうか分かりませんが、うまくはまっています。
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