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2008年12月21日 (日)

構成主義?の新港貿易会館(神戸市)

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甲子園の後は、神戸に向かいました。
神戸税関が特別公開ということで見に行ったのですが、すぐに終了時間になってしまってあまり見れず。仕方なく、近くの近代建築などを見て回りました。

三宮からフラワーロードをずーっと海に下っていった先の新港地区には、神戸税関(1927年)、旧市立生糸検査所(1927年)、旧国立生糸検査所(1932年)や三井倉庫(1926年)、三菱倉庫(1925、1928年)、住友倉庫(1926、1962年)、川西倉庫(1925年)の大きな4〜5階建て倉庫群などが立ち並んでいます。

その中でも気に入ったのが、この新港貿易会館(旧新港相互館)(1930年)です。貿易関係者の事務所やクラブハウス的な建物だったそうです。試しにこの名前で検索してみるとファンの多い建物です。

遠目には落ち着いたスクラッチタイル張りの、飾り気が多いとはいえない建物ですが、魅力的なのはその細部意匠です。

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まず丸窓とこの格子の模様。
この格子はアール・デコの中でも構成主義の流れを汲んでいるように見えます。
この前、伊勢竹原で見た格子と似たような系統に思えます。

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また玄関上部にはこのような門灯があったり、

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ひさしの間にも同様の格子があります。

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今は使われていない受付にも同様の格子があります。
郵便マークが読み込まれているという説も。歯車を読み込んでみたり、何かを読み込むのはこのパターンの遊びでしょうか。

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さて再び玄関。玄関は角にあるので、内廊下とは斜めに向き合っています。そこがまた変化があってよい感じです。船内のような雰囲気もあるのですが。
玄関上部には3枚組のステンドグラスがはまっています。
中央は、真正面から見た船のようなデザイン。

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突き当たりの部屋のステンドグラス。
これも真正面から見た船のようですね。

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階段は余裕を感じさせる大理石の親柱と手すりです。
もっとも上層階は木の手すりと鉄の柱ですが。
奥に見える丸窓が最初に紹介した構成主義風格子の丸窓です。

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そして4階階段室のステンドグラス。
船というより、プロペラ飛行機を上から見たところのように見えませんでしょうか。

貿易関係者の明るいセンスを感じさせる建物だと思います。

○関連HP
 神戸市都市計画総局
 “神戸建築物語 第1回 海と空・二つの神戸開港物語”

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