彫刻づくしの京都府庁
翌週また京都へ。
まだ見てなかった京都府庁の秋の一般公開を見に行きました。
府庁前は釜座通りのけやき並木で、ここだけ見たらパリみたい。そこまで見せることにこだわった計画をしています。
京都府庁旧館は、明治37年(1904年)に竣工した100年前の庁舎です。
正門前には浅い堀があり、石橋を渡って入ります。こんなとこまで、しっかりつくっています。
近くで見るとますます立派な建物。
柱に車寄せ、三角破風に装飾がふんだんに施されています。
屋根は天然スレートだそうです。
窓に石柱・石梁を使っているのが面白く思います。
玄関を入ると正面には立派な階段ホール。
大理石のぜいたくな階段です。
正面以外の階段手すりは木製ですが、やはり細かい彫刻が施されています。柱頭のアカンサス(ハアザミ)のモチーフは館内あちこちに用いられています。
特徴的なのがアーチとベランダで、とくにアーチは至るところにありました。こういうところを歩いていると府庁の中という気がしません。
2階正面は正庁になっています。この日はクラシックコンサートが開かれていました。天井の高い大きなホールです。
府庁内部は思った以上に見るところが多く、とくに食堂、そしてこの知事執務室がもとの雰囲気で残されています。奥が知事の机です。この2部屋はボランティアらしき方がついて説明してくださっていました。
知事室の扉の上の飾りです。こんな目立たないところにも細かい彫刻を使っているんですね。
暖炉ももちろん凝ったものです。
知事室の暖炉は木とタイルと鉄でできています。
金属の覆いには可憐な植物模様が刻まれています。ひなぎくでしょうか。
貴賓応接室の暖炉は大理石でできています。
それも彫刻でいっぱい。ためいきが出ます。
この繊細さです。
なんと手間をかけていることか。
京都府庁旧館は木・石・金属の彫刻がみごとでした。
このような彫刻の数々は、今なら許されないぜいたくでしょうが、100年も使ってまだまだ価値をもつのを見ると、果たして壊しても問題ないものを作るのとどちらが無駄なのかななどとも考えさせられます。
美しいものを見た後でこういうものも。
昭和3年に設置された知事・部長登退庁表示灯というものだそうです。
なお、府庁と同じ敷地に京都府警察本部(昭和4年)も立っています。
明治建築と比べると当然ながら装飾は少ないですが、玄関のアーチなどにセセッション風(?)の幾何学模様が入っています。
ここにある限り、ずっと脇役というのが気の毒なような。
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