ビルマニアカフェ2008
10月11日・12日と2日間開催されたビルマニアカフェ2008に行ってきました。
会場は西谷ビル2号館3階です。
写真の正面は昭和32年建設(4階部分は昭和37年の増築)の本館、左は昭和40年の2号館、その左は昭和28年の1号館、右は昭和40年の3号館です。増築でできた複雑な構造です。
西谷ビルをもつ西谷商事さんは金属関係の商社で、自社ビルを兼ねてテナントビルを経営されてきたそうです。テナントは繊維関係の会社が多かったとおっしゃっていました。このビルができた頃、周囲にビルというと百十四銀行大阪支店と長瀬産業ぐらいしかなかったとのこと。
このイベントは、戦前建築に比べて評価されにくい1950〜70年代の戦後建築の魅力を伝えてくれるイベントで、大バンさんの企画です。
私はその中の館内ツアーに参加しました(11日のみ)。
ガイドは高岡伸一さんで、西谷商事の方も同行されました。ツアー参加者は20〜30代の方々のようで皆さん熱心に写真を撮られていましたので、あちこちのブログやホームページに載ったりもするのでしょう。
まずは一番古い、1号館(昭和28年)から。玄関ホールからいい雰囲気が漂っています(ここはコース外)。
階段室にはガラスブロックのトップライトから自然光が差し込むようになっています。
そして1号館のみ、中庭があります。
採光に気を使っているようですね。
次に1番新しい3号館(昭和40年)。それでも手すりは木製です。ねじりが入って、丁寧に作られています。
参加者から感嘆の声が上がった空室。かなり高い位置に窓があり、明るい雰囲気です。「もっと天井の高い部屋もありますよ」とのこと。
最後に本館(昭和32年)。ここが一番の見どころです。玄関からして曲線を使った魅力的なデザインです。
渋い書体のビル名プレート。
4階から見下ろした変形らせん階段。増築した部分もちゃんとらせん階段を継ぎ足したのですね。このらせん階段は見る位置によっていろいろな表情を見せてくれます。すばらしい。
ツアーが終わり、2号館(昭和40年)に戻ります。
人造石研ぎ出し(テラゾー)の床が見どころとのこと。品の良い美しさです。
カフェスペースは結構賑わっていました。
一角では戦後建築のスライドショーが次々と流れ、写真展、資料展などもあります。スライドショーでは、私のなれ親しんでいるビル・リバーセンターが多く取り上げられていて嬉しく思いました。
食べ物、飲み物、関連グッズもいろいろあります。
来場者がもらえる、ビルマニアカフェ2008のパンフレットは、戦後建築の見どころ解説なども付いてよくできています。
さて、ここまで来たついでに近くの堀江公園を見に行きました。
戦後建築の後は戦後公園。昭和25年の公園です。
60年近くたった公園は木々も大きく育ち(とくにヒマラヤ杉など)、魅力を増しています。雑誌モデルの撮影(たぶん)も行われていました。
その一角にある堀江会館。戦後建築っぽくないですか? スリット状の窓などが。
アールの入ったひさし、ブロック状の2階の窓、なかなかいいです。
ビルマニアカフェで戦後建築の魅力を教えていただき、ますます街のいろんなものに反応してしまいそうで危険です。
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