青島・煙台の旅(25)青島の石の別荘
青島の別荘地、八大関に入りました。
八大関は岬を利用した海辺の別荘地です。街路樹と庭園の緑、海岸緑地の緑が一帯となり、圧倒的な緑に埋もれています。そのため住宅の姿はよく見えません。
向こうからぞろぞろと歩いてくるのは結婚写真撮影の皆さん。海あり、森あり、洋館ありの八大関は結婚写真のメッカになっているようなのです。(中国や韓国では結婚の際に、新郎新婦の写真アルバムをつくります。撮影には非常に力を入れます)
まず八大関で一番の観光スポットである花石楼に向かいました。
八大関でも一番端の海沿いに建っています。
花崗岩で固められた姿はヨーロッパの古城のような重々しさです。
花石楼は1930年から1931年にかけて建てられました。設計者は劉耀宸、施工者は王雲飛です。もとはロシア貴族レイビッチの別荘で、1936年頃にレイビッチが亡くなったのち、イギリス人保険商の手に渡りました。イギリス領事も利用したようです。1949年には青島駐留の米軍を頼ってきた蒋介石が一時滞在したこともあります。新中国になってからは接待施設として使われていました。
今は入場料6.5元(約100円)で公開されています。
裏側はこんな感じ。こちら側にも丸い塔が立っています。
花石楼の名前は、室内の壁に滑石(ロウ石)が張られていること、外壁に花崗岩が使われていることから、中国語で滑石と同音の花石を当てて、花石楼と呼ばれるそうです。
暖炉までが石の塊。室内にまで石を使っているとやや重苦しい気がします。
表の円筒部は階段室になっています。
らせん階段にほっとします。
階段室の窓には色ガラスが使われています。
階段室だけ妙に明るい。
階段は途中から、室内に入っていきます。
うねるようなカーブに引きつけられます。
円筒の塔の最上部は展望室になっています。
まるで見張り塔のよう。ここからは第2海水浴場が見渡せます、が今日はこの霧です。
第2海水浴場は、磯場へと続いています。
白い点がたくさん見えるのは、結婚撮影のカップルです。幻想的といえば幻想的なんですけど、この霧で写真が撮れるんでしょうか。
実は花石楼も、結婚写真の撮影用に道具立てを用意しています。
どんな写真を撮るのか分かります。
新郎新婦のドレスはほとんど白(純白あるいはクリーム色)なのですが、花石楼内では青いドレスの美しい新婦さんが撮影していました。
煙台の煙台山と全く同じ状況です。
人数でいうと煙台以上です。
○参考資料
竇世強・李明『画説 青島老建築』、2004年、青島出版社
『青島と山東半島』(旅名人ブックス)、2007年、日経BP企画
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