中山道・加納宿のあたり(岐阜市)
岐阜に出張に行ったついで。
仕事が早く終わったので、中山道の加納宿あたりに立ち寄りました。
上の写真は街道筋ではありませんが。
街中なのにちょっと大きなお屋敷などもあります。
朽ちているようなのが残念。
加納桜道から江戸に向かう街道に入り、しばらく歩くと唐突にこの建物。旧加納町役場です。武田五一の設計で大正15年に建てられました。
シンメトリーをかなり崩したデザインです。玄関のアーチやディオクレティアヌス窓(半円を2本の柱で分割した窓)にも目が行きますが、それよりも建物全体の発する古び方の凄みに圧されます。
玄関脇には登録文化財の表示が立っています。
でも老朽化の問題で立ち入り禁止。あまり近づくこともできません。
建物の無事を祈ります。
(追記)
残念ながら解体が決まったそうです。
→中日新聞「旧加納町役場解体へ」(2015.1.2記)
加納は城下町でもあります。
大手前通りで街道は北に折れ、この広井橋で小さな清水川を渡ります。この広井橋は昭和27年の橋で、まだこの頃の橋は味わいがあります。
中山道と御鮨街道の分岐で、再び中山道は東に折れています。東の中山道を見たところ。
御鮨街道という言葉を私は初めて聞きました。江戸の将軍家に長良川の鮎鮨を運んだルートだそうです。鯖街道と似てますが、こちらは鮨にしてから運んでいたようです。
もっともそんなに頻度のある話ではないでしょう。
私は御鮨街道を北に逆走します。
名鉄の線路を渡ると花街の名残らしき3階建ての町家。
銅の戸袋、名前入りの瓦など凝っています。
加納東広江町のあたりは古い町家が残っていました。
2階建てで、両袖の木の壁が出て、前のめりでという特徴は共通しますが、なぜか高さ、出方がばらばら。今、気付きましたが、菱の穴あきコンクリートブロックが合ってます。
こちらはゆったりした家。塀に品があります。
このあたりでも石垣は丸石です。
こんな穴あきコンクリートブロックもあるのかということで。花に雲の図案化でしょうか。
清水川をたどって岐阜駅に出ました。
自然の河岸を再現した川で、岐阜の街中を流れながら、とてもきれいです。
岐阜駅の表は表で、60〜70年代の建築群に見どころを感じますが、岐阜駅の裏の加納地区も戦前の風情があっていいものです。
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