青島・煙台の旅(8)煙台山の建物−3
煙台山灯台を降りると、煙台山の東側に回ります。
煙台山の東側はイギリス領事館の建物が占めています。煙台山の3分の2はイギリス領事館の敷地でした。
まずは旧イギリス領事館附属建物。1864年に建てられた煉瓦・石造(屋根組は木造)の平屋で、3面をベランダが取り巻いています。このようなベランダはアジアでは初期の例だそうです。赤屋根、白壁に緑の欄間様の飾りが涼しげ。
鍵の博物館なのですが、開いていませんでした。
裏側に回ると灰色煉瓦が表に現れた壁で、印象が変わります。もちろんイギリス積み。軒の部分まで煉瓦をせり出しながら積んでいます。窓が縦長で小さいので、煉瓦の印象が強いです。
床下換気口のグリル。やや垢抜けない印象を受けます。
同じ敷地に建つ、附属建物の附属建物。こちらはアーチ窓なので、柔らかい印象です。
こちらは旧イギリス領事館領事官邸です。構造は煉瓦・石造(屋根組は木造)の平屋です。1867年に徳成営造廠により建設されました。この建物も一部ベランダがあります。このベランダは先ほどの建物同様、ジョージア式だそうです(アーチ状になるとビクトリア式)。外壁は漆喰塗りの方が鮮やかな気もします。
イギリス領事館は煙台の領事館第一号です。1861年に領事館を設立して以来、1937年に至るまで、イギリス領事が煙台外国領事団の首席領事を務めていました。それにしては、建物は当初のままであっさりしている気もしますが。イギリス領事館は1941年の日米開戦翌日、日本軍に差し押さえられました。
今は黄金石文化会社の看板がかかっています。
さらにもう一つの旧イギリス領事館附属建物。19世紀半ばの建物です。木骨煉瓦造の建物。同じくベランダがありますが、屋根を支える柱が2本組の細い木柱なので、太い角柱が並ぶ上記の附属建物よりも風通しが良さそうに見えます。「中国近代建築総覧・煙台編」に掲載の写真はベランダに壁がはめられていますので、その後、原状復帰されたようです。T字型の玄関開口部がちょっと変わった感じ。こんなところで洗濯物を干すのはどうなんでしょう。
この建物では煙台の古写真が展示されていました。
側面からみると寄せ棟屋根であることが分かります。旧領事館関連の3つの建物はどれも同じような色づかいです。
煙台山の領事館建築については以上です。
お次は旧煙台連合教会。1875年に建てられた木骨煉瓦造・平屋の建物ですが、早くに壊され、最近再建されたものです。当時の煙台では唯一英語で礼拝が行われていた教会だそうです。上に飛び出ているのは鐘楼。
今は映像上映館に使われています。
遠景はこんな感じ。けっこう大型の建物です。
窓に黒い縁取りのようなアーチが目立っています。
最後に、これはよく分からないのですが、煙台山にある大型の建物です。
白地に赤のハーフティンバーの三角破風が印象的です。
同じ建物を南側から。この建物は公開されていなくて、行政関係の機関が入っています。
煙台山はほとんど純粋な外国人居住区で、中国人の住宅は1軒(それももとはドイツ人の邸宅)だけだったそうです。
煙台山はこれ以外に非公開の建物も多く、貴重な建物園になっています。
※位置などは正確ではありません
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