青島・煙台の旅(2)煙台の近代建築に泊まる
煙台で迎える朝。
ベッドからすぐ通り(海岸街)を眺めることができます。
外に出てみて、びっくり。これが今回泊まった便民角旅館です。こんなところに泊まっていたのかと。
昨夜は暗くてよく分からなかったのです。
市の文化財のプレートまではまっていました。
旧ドイツ郵便局とのことです。
主だった建築物には、文化財のプレートと簡単な説明板がペアではめ込まれています。このドイツ郵便局の場合は、木造+煉瓦造で、1892年に郵便局が置かれ、第一次大戦後の1917年に撤退したそうです。『中国近代建築総覧・煙台編』によれば、施工は徳成営造廠。
上部の山型飾り。「Kaiserlich Deutsches Post Amt」と書かれています。ドイツ郵便局とでも書かれているのでしょうか。ドイツ語は全く分かりません。
赤煉瓦と中国風の灰色煉瓦を組み合わせて使っています。
壁の飾りを、赤煉瓦と灰色煉瓦の組み合わせで入れています。
ちょっと中も覗いてみました。写真がよくなくてすみません。改修工事中のようでしたが、床も階段も木のものが使われていました。昔のままなのでしょう。
でも泊まるなら向かいの海鮮暇日酒店の方が良いかもしれません。外から見た感じ、部屋をそのまま使ってそうですので。標準で1泊58元となっています。海鮮レストランの兼営です。
この建物は、かつてイギリスの茂記洋行のオフィスでした。1934年に建てられた鉄筋コンクリート?建築で、施工は徳成営造廠です。
茂記洋行の前身は1864年(清同治3年)創業の商社「和記洋行」で、煙台が開港して最も早く進出した外国企業の一つだそうです。業務範囲は、海運、陸運、綿糸・手工芸品・ピーナツなど特産品の輸出などで、特に海運(外輪船)に力があったようです。その繁栄は太平洋戦争の日本軍の進入まで続きました。(水母ネット記事より)
1階から3階まで突き抜けている角柱が印象的です。対して、水平方向には薄い庇が巡らされています。ツタの絡まり具合もいい感じ。
次に来たときのために、他のホテルも見ておきました。
ほかにめぼしいところでは、東太平街の楓合賓館があります。周辺の道路を整備中ですが、終わればきれいになるのではないでしょうか。
順泰街から少し入った良貴軒旅館。町家といってもいいでしょうか。
順泰街の福源招待所。さすがにここまで来ると・・・
でも案外、古い部屋のままではないかと期待(笑)。
あくまで近代建築に泊まるならということですので、ちゃんとしたホテルは金海湾酒店、黄金大酒店、太平洋大酒店はじめ、いろいろあります。
回ってみて思うのは、外国勢力が入ってきて初期の建築ですので、2階建て程度の建物が多く、規模が小さいため、ホテルに活用しても「旅館」レベルにしかならないということではないかと思います。
そこが大型のクラシックホテルがある上海とは違うところです。
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コメント
近代建築の旅館ですか。
福源招待所のレベルまで来なくても、これらの佇まいはスゴイです。
いやあビックリしました。でも面白そう!
投稿: ひろ009 | 2008年6月11日 (水) 22:46
ひろさん、こんばんは。
せっかく泊まるなら、こんな旅館の方が面白そうでしょう? 同意してくれる人は少なそうですが。
近代建築の利用はレストランが多くて、オフィス、土産物店、ネットカフェ等様々ですが、近代建築であることを価値としているお店は、ここ煙台では少数のようでした。一部、中国茶のカフェになっている建物があってよさげです。
投稿: びんみん | 2008年6月12日 (木) 00:01