新潟まち歩き(20)丘の上の近代建築
新津記念館を出た後は、さらに丘の上を歩きました。
新潟の丘というのは、かつての砂丘ということになります。
まずは新潟大学内にある、あさひまち展示館(旧新潟師範学校記念館)です。昭和4年に同校の創立50周年記念に建てられました。スクラッチタイル貼りの鉄筋コンクリート建築です。設計施工は清水組。1階は児童教育のための陳列室、2階は集会室だったそうです。(案内板より)
登録有形文化財。火・木・土は、資料館として公開されていますが、この日はお休みでした。
側面も正面も同じようなデザインです。
実際以上に柱がたくさんあるように見えて、縦の線が強調されています。
これで完結しているように見えるんですが、この右側(奥)に木造部分のついた和洋折衷の建物だったそうです。その方がむしろ不思議。
新潟大学医学部には、新潟医科専門学校時代の明治44年につくられた煉瓦塀と大正3年につくられた講堂正門が残されています。これも登録有形文化財。
(追記)昔は門の向こうにこのようなこぢんまりと、でも立派な校舎が建っていました。のちに門の間隔を広げたようですね。(2009.5.13)
右側の門柱です。煉瓦と花崗岩の、赤白の対比が美しい。
定番の組み合わせですね。古い写真で見るとさらに両側に一組、一回り小さな門柱が立っています。
古い煉瓦塀も移築しつつ、新たに煉瓦塀がつながれています。
煉瓦にツタもお似合いの取り合わせ。
(追記)
<絵葉書 昔の新潟医科大学の裏側>(2010.3.20記)
招魂坂(ワルツ坂)の上には出窓のある洋館が建っていました。
新津記念館もそうですが、洋館はこういうロケーションが似合います。
壁は1階、2階で塗り分けられています。
格子など直線的ですっきりしたデザインです。
シンプルな洋館付き住宅もあります。
ドッペリ坂。ドッペリはダブルのドイツ語だそうです。坂の上に旧制新潟高校の寮があり、学生がこの坂を下って町に遊びに行くと落第するという意味で名付けられたとか。正面にNEXT21が見え、町の中軸線上にあることが分かります。
雨脚が強まり、逃げ込むように砂丘館に入りました。
旧日本銀行新潟支店長役宅で、昭和8年に建てられました。元々は丘の下にあったそうですが、移築されて残っています。今は新潟市が買い取って、ギャラリーやレンタルスペースに使われています。夜9時までオープンしていて、利用しやすいのではないでしょうか。
和室より。この家の魅力はいろんなところからお庭を眺められることだと思います。
2階からもこんな具合に、木々の緑が広がります。
コーヒーも提供していて、応接室でも、和室で庭を眺めながらでもいただけます。
雨降りでも、庭を眺めている限りはいいものです。
さて、雨は降り止みませんが、また歩き始めます。
砂丘館の並びに洋風の建築がありました。随分細かく縦の線が入っています。窓は上げ下げ窓のよう。
今は何に使われているのか分かりませんが、エイボックという人材派遣会社の看板がかかっていました。
大きく張り出した玄関の庇と、直線デザインの持ち送りが特徴的です。
さらに坂を下りかけて、これは新潟市長公舎だと思うのですが。
新潟市長公舎は、大正11年に建てられた和洋折衷の中廊下式住宅だそうです。今も新潟市の所有で活用が検討されているようですが・・・どうなっているんでしょう。
(追記)旧市長公舎は、「安吾 風の館」として2009年7月から公開されています。
2010年に再訪しました。
>「新潟なつ歩き(7)夏の庭を眺める」(2012.4.1記)
ドッペリ坂の下まで下ってきました。
この地区のシンボル的な新潟カトリック教会の双塔があります。昭和2年にスイス人建築家ヒンデルの設計で建てられました。木造だそうです。この日の天気はあいにくでしたが、どこかメルヘンチックな印象を受けます。晴れていればなおさらでしょう。
日も暮れて、雨脚もさらに強まり、今回の探訪はここまでとしました。かなりたくさんの地域を見残してしまいました。いずれ続きはここからスタートしようと思います。
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