新潟まち歩き(4)移築された銀行
みなとぴあにある旧第四銀行住吉町支店です。
いかにも銀行らしい建物。
第四銀行は新潟の地方銀行ですが、第四国立銀行を前身とする、日本で最も歴史ある銀行だそうです。
第一銀行は東京、第二銀行は横浜、第三銀行は大阪(の予定が開業できず東京)で、その次ですから、当時の新潟の先進性が分かる気がします。
解説によると、この建物は昭和2年(1927)に竣工し、2002年まで銀行支店として使われてきましたが、都市計画道路のルートにかかるため解体移築が決定、2002年に解体、2003年に組立復原工事が竣工しました。元々の設計者は地元の長谷川龍雄、施工者も地元の武田組だそうです。
新潟市歴史博物館配布の解説に詳しく書かれていますが、鉄筋コンクリートの建物から表面の石材や青銅飾り、漆喰飾り、木の腰板、照明器具などを取り外したうえ、新しく作られた強化鉄筋コンクリートの躯体に取り付けたそうです。何という手間!
それでいて無料公開されています。
花崗岩の壁面に所々銅が配されていてメリハリがついています。
外壁は茨城県笠間市の稲田石(花崗岩)だそうです。
私には花崗岩の違いはよく分かりません。
正面、1階と2階の間には、鳩(?)の銅板がはまっています。
内部は長いカウンターのある、2階までの吹き抜け大空間です。この広がりは私の腕では表現できません。2階にはぐるりとギャラリー。白・黒・茶のきれいな配色です。
カウンター内がレストラン「ぽるとカーブドッチ」で、カウンター外が自由観覧ゾーン(一部物販コーナーやカフェコーナー)になっています。
カウンター外から。
カウンター天板は高知産の暁石(花崗岩)だそうです。
なお、失われた照明器具なども昔の写真をもとに製作されたとのことです。
カウンター内から。
天井もこのように装飾されているんですよ。
カウンターの足下部分です。
床面モザイクタイルに、カウンター腰壁の大理石。大理石は岐阜県大垣市赤坂産だそうです。こうしてみると全国から石材が集められています。
2階の会議室なども開放されているのですが、ここでは2階天窓のステンドグラスを紹介します。こんなところにきれいなステンドグラスを持ってくるとは。
階段を登ってきて、ステンドグラスはこの位置にあります。なかなか意表を突いた使い方です。
こういう建物を残してほしいとは簡単に思いますが、実際に移転して残されたものを見ると、その労力の大きさに敬服せざるをえません。末永く使っていただきたいと思います。
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