新潟まち歩き(8)街なかの近代建築
新潟の街は、和風の町家(と現代の建物)が主体ですが、ちらほら近代建築も見られます。今回は、江戸時代以来の新潟の街とその周辺に建つ近代建築を紹介します。
まず本町(ほんちょう)通五番町にある(株)クワバラ社屋。昭和8年のアールデコ風建築で、設計施工は清水組です。登録有形文化財。
小道さんによると旧太平生命保険新潟支社なんだそうです。
昭和25年には(株)クワバラの支店になったようです。
(追記)
(株)クワバラ社屋は、2010年5月の事務所移転に伴い、取り壊されたそうです。
登録文化財でしたので、何らかの事情があったのでしょうが・・・
(2010.7.4記)
なお、本町通は名前通り、新潟町のメインストリートで、白山神社のある川上の一番町から十四番町まであります。今は古町通あるいは西堀前通の方がメインのようですが。
逆光で見にくいですが、本町通十番町の健生薬局です。
周りがなくなって孤立してしまっています。反面、360度から眺められます。
基壇部は花崗岩貼り、上部はタイル貼り。左右対称のすっきり美しいバランスです。
あまり薬局っぽくない気もするんですが。
この建物でちょっと気になったのが、建物前の石畳です。
玄関部分は花崗岩ですが、その両側の緑色の石材は緑色凝灰岩でしょうか。この色の石を今回、新潟のあちこちで見かけました。緑色凝灰岩の産地は限られ、新潟もその一つだそうです。石油層と関係があるともいいます。後日紹介しますが、旧新潟県会議事堂に緑色の石が使われ、説明によると津川の谷沢石と説明されていました。しかし、谷沢石がどんなものかがよく分かりません。見たところ、この石も同系統の石ではないかと思っています。
古町通十番町の吉野印刷(株)。
ベージュ色に所々あしらわれたミントグリーンが爽やかな建物。きれいに手入れをされていて、気持ちのよい建物です。円柱に「吉野オフセット印刷所」と書かれていたのを塗り込めて、復原的にきれいにされていることからも、建物への愛着を感じます。
明治36年の創業で、大正5年に建てられた木造モルタル建築。新潟で初めてといわれるエレベーターも残っているそうです。
正面のレリーフ模様です。
花のランプはおまけ?
西堀前通三番町の角に立つ中村写真機店。
昭和11年の建物。スクラッチ風の白いタイルで覆われています。
東中通一番町のJA新潟県厚生農業協同組合連合会。
飾り気は少ないものの、足下に連続模様が彫り込まれています。
昭和32年に移転してきたそうですが、その前は何だったんでしょう。
最後の最後に撮ったのでかなり限界です。
なお、この左にも近代建築があったはず。
確認してみると、昭和15年のやまと生命新潟支店。最近取り壊されて、マンションになります。新潟はそれほど街中の開発圧力が強いわけではないようですが、それでもマンションへの置き換えは進んでいます。
こじんまりした建物が多いものの、きれいに手入れされている建物が印象に残りました。
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