新潟まち歩き(11)花街のなごり
本町通を歩いていたとき、小路の向こうにレンガの壁が見えました。
東堀通八番町のあたりです(つまり元は東堀沿い)。
近づいてみると、レンガは釉薬がかかっているよう。後で調べてみると、施釉煉瓦は耐寒性があるそうです。新潟ならではかもしれません。全て小口を向けた積み方なので、あまりしっかりした積み方ではなさそう。
例によって床下換気口のグリルを見ると、明治時代っぽい美しいデザインです。煉瓦で簡単なアーチまで作っています。
さらに隣には巨大な和風建築が聳えていました。
普通の町家ではありません。
気になったので、表側に回ってみると、料亭の鍋茶屋さんでした。創業は江戸末期の弘化3年(1846)。私が知らなかっただけで、登録有形文化財です。
主屋と煉瓦蔵、離れ土蔵は明治43年頃で、何度か増築がなされ、応接室棟と離れ座敷が昭和6年、表門と外塀が昭和12年の建築だそうです。昭和12年には主屋の増改築もなされています。いずれにしても戦前です。
港町に花街は付きもの。新潟の花街は日本有数の花街だったそうです。
それを伺わせるのが、西堀前通九番町の三業会館。「三業」とは、料亭、芸者置屋、待合の3つの業種のこと。新潟には今も芸妓さんがいるそうです。
緩くカーブするタイルの壁がインパクトのある昭和39年の建築です。建て替え計画があるそうです。
本町通十一番町にある日本料理「大橋屋」さん。
江戸末期慶応2年(1866)の創業です。外観を見ても花街の雰囲気が漂っていますが、内部も趣向が凝らされています。内部はリンク先をご覧ください。
昭和10年完成で、登録有形文化財です。
ちょっとこの写真はよくありませんが、古町通の両側に平行する裏通りとして、東新道、西新道があり、料亭・割烹、飲み屋が建ち並んでいます。
古町通のアーケードには、2005年オープンの古町演芸場がありました。大衆演劇の劇場です。
このような芸能の場も、花街のなごりと言えるのかなと思います。
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