坂越のぼり、おり

私たちは赤穂から電車で1駅戻り、坂越(さこし)へ。
駅前では桜並木が出迎えてくれました。
坂越は瀬戸内の廻船、とくに赤穂の塩廻船で栄えた港町・・・というイメージをもって駅を降りても、そこにあるのは千種川、その向こうには低い山。海は見当たりません。河原に菜の花、山には桜。のどかな風景です。

歩いていく途中に建っていたのがこの市営住宅。
そこまで景観に配慮しているのに驚きます。とくに美観地区というわけではありません。

かわいい坂越小学校の校章。
海が近づいてきました。

坂越は、名前通り、低い坂を越えたところにあります。坂を越えると海が見えるというのも、なかなかの演出です。この坂道は坂越大道といって、両側に古い街並みが連なっています。

この街並みでいいのは、その色合いです。石垣は赤みの石と青みの石が混ざるのがこの辺ふうのようです。お寺の土塀の色も落ち着いていい色。車の色まで調和をとっているようで、騒がしい色が一切ありません。

山に張り付いたような町ですから、至る所に石垣と階段があります。
思わず、のぼってみたくなります。
石垣はざくざくと積んであるようでいて、あまり隙間なくかみあっています。

坂越まち並み館で「歩いてほのぼの+しみじみ写真展 坂越でお散歩」を見せてもらった後、旧坂越浦会所に向かいました。江戸時代の天保年間(1830〜43)に建てられた旧坂越村の会所で、いくつもの中庭があり、落ち着く空間です。かつては、すぐそこが海でした。2階には赤穂藩主の休憩した「観海楼」という名の座敷があります。

坂をのぼると屋根越しに海が見えます。向こうに見えるのは生島。

和風のものだけでなくて、レンガ塀などもありました。斜めに積んだり、透かしを入れたり、凝った積み方をしています。

氏神の大避神社の参道から振り返る。道の向こうには生島が見えます。

境内にはこのように廊下が伸び、大きな船絵馬が数多く奉納されています。
蘇我入鹿の乱を避けた秦河勝を祀っているそうですが、航海安全の神として崇敬を集めています。厳かな雰囲気のよい神社です。

例えば、こんな船絵馬が飾られています。

さらに、ちょっと山をのぼって、妙見寺観音堂まで連れて行ってもらいました。ここからも生島が見え、その向こうには一昨年訪れた家島諸島が見えます。舞台のような眺めです。

またくだって町なかへ。使われていない井戸を見かけました。ここで洗濯などしていたのでしょうね。台になる石が置いてあります。

海岸にも出ました。すぐそこに生島が見えます。風除けになっているのはもちろんでしょうが、この生島は昔からの神域で、原生林におおわれているそうです。
ちなみに自然な砂浜ですが、最近造成されたもので、昔は海岸線がもっと手前でしたし、石がごろごろする海岸だったそうです。大がかりな埋め立てと駐車場の整備が進められていました。高潮を防ぐ防災工事の意味もあるそうですが。

再び坂越大道。両脇には深い溝が掘られています。ここの石垣はきっちりした亀甲積みです。家に渡るために切石の橋が渡されています。

しつこく側溝(笑)。ゆるやかに曲がりながら連なる溝と少しずつ違う橋が美しいと思います。

再び坂を越えて千種川に戻る頃には既に夕暮れになっていました。坂越大道はこの千種川の水運と坂越浦の海運を最短距離で結んでいたそうです。
坂越の町は、坂や階段をのんびりのぼり、おりしながら、しみじみ味わうのがいいところなんだなということが分かりました。
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コメント
側溝のこと、何かこの道が違うことの理由のひとつとして予感としてあったけど言われて!なるほどでした。ものすごく歩いてるのにほんとにぼんやりしてるから。
さこしの地形がかもしだす雰囲気がほんとに好きです。つるつるてかてか原色のものが通りや街にないのもいいです。街のさし色が柑橘やお花や子どもたちのジャケットやランドセルだなんて素敵すぎます。
投稿: のーと | 2008年4月14日 (月) 21:58
なるほど、なるほど。
花や子どもたちのランドセルなどがさし色になるのですね。そういう発想はありませんでした。
坂越には、また少し季節を変えて、のんびり歩きに行きたいと思います。
投稿: びんみん | 2008年4月15日 (火) 01:11