松江の医院建築
長々と出雲の建築を紹介してきましたが、
最後に松江の医院建築を紹介します。
街中を歩いていて、すぐに目に付くのが、こちら。
末次本町の浅野小児科医院です。
大正元年(1912年)の木造建築で、小道さんによれば、平成元年に外部の復元工事が行われているそうです。
いかにも品のあるお医者さんという風。
装飾のバランスがよく、窓の桟など美しい分割です。
ピンク基調ですが、ポイントでグリーンを配しています。
入り口には白い円柱が3本×2。花崗岩でしょうか。
支えるのは地元の大根島石です。
両脇にはうろこ状の装飾。
道路との間にはシンプルなデザインが施された石柱(来待石?)が並んで、このスペースに石庭があります。
足下だけをみたら、全体とは違った印象を受けます。
床下換気口のグリルには、「丸に違い鷹の羽」の紋。おそらく家紋なんでしょう。
この紋は大名の浅野家の家紋らしく、この医院も浅野小児科医院ということは、もしかして浅野家の関係?
そこまでは確認できていません。
もう一つ、西茶町に気になった建物があり、帰ってから旧三原歯科医院と知りました。大正15年(1926年)の建築。
角の3本の円柱と2階まで伸びる窓、アーチ状の窓が印象に残ります。
アイストップになる場所で、場所がいいので、何かに利用してもらえるといいんですが。
(追記)
うんせきブログさんの記事によれば、
2009年に取り壊されたそうです。
(2009.11.21)
松江にはまだまだ近代建築があり、文化的素養の豊かそうな街で、ストックを活用する民間の動きも見られましたので、これから近代建築も観光資源や商業・文化施設として活用が進むことを期待します。
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コメント
コメント&リンクありがとうございます。
私はこの「浅野小児科医院」に子供のころお世話になってました。現在は5代目の先生のハズです。立派な建物なんですが、子供心には怖かったですよ。
ちなみに歯医者さんは三原歯科医院に行っておりました(笑)
投稿: TKC | 2008年7月 8日 (火) 23:12
TKC様
リンクとコメントありがとうございます。
浅野小児科医院さん、5代目になるんですか!
医院にしても、歯医者にしても、近代建築だと治療の仕方も古いんじゃないかと錯覚(?)してしまいます。子どもにはいかめしいかもしれませんね。
三原歯科医院さんにもかかられてたとは。およそ歯科医院とは思えない外観だったので、中がどうだったのかも気になります。
投稿: びんみん | 2008年7月 9日 (水) 01:04