松江モダン
松江の街といえば江戸時代の城下町。
そして明治の小泉八雲。
それだけでも十分観光できてしまいます。
カラコロ工房という旧日本銀行の建物はありますが、昭和初期というのは、ここではほとんど観光の対象ではありません。
そんな松江で昭和初期のモダン建築が立ち並ぶのが白潟本町。
城下町の中心部からは川向かいで、宍道湖の東岸にあり、江戸時代は廻船問屋が建ち並んでいた商人の街でした。
昭和2年に白潟の大火があり、その後、耐火建築に建て替えられたために、鉄筋コンクリートの建物が並ぶことになります。
最初に紹介するのは尾原ビル(旧尾原呉服店)。昭和7年の建築です。最上階にはかつて宍道湖を眺めるカフェがあり、屋上庭園が今も残っているとのこと。
松江で最初のエレベーターが付いた、当時かなりモダンなビルだったようです。
中に入る時間はなかったのですが、入り口のステンドグラスは、微妙な色合いが美しいです。宍道湖の色を思わせます。
※追記
この尾原ビルが既に取り壊されたことを知りました。
5月の連休明けに取り壊しになったとのこと。旅行が4月だったので、1ヵ月ほどで消えてしまったことになります。次に行ったときには中も・・・と思っていたのに。はかないものです。(2007.7.10)
次いでは山陰合同銀行旧本店営業部。
こちらは戦後建築で、昭和28年のものです。
現在は白潟ギャラリーとして、天井の高いスペースが展示スペースに活用されています。
そしてこちらが昭和12年の出雲ビルディング。
最上階は増築されているようですが、味があるビルです。
2階にはバルコニーがあります。
2階以上の部分です。
簡略ながら、ところどころ装飾があります。
メインの階段。狭いです。
いろんな素材を使っています。
左にある緑色のものは何か分かります?
ちょっと面白い郵便受です。
がばっと開いて、裏から取り出すようになっています。
ビルの使われ方は大阪などと同じく、ちょっとしたライブハウス&スタジオなどが入っています。
正面に戻ります。
松葉菱に“I”のマーク。
もちろん、“I”は出雲ビルの“I”で、松葉菱は松江ということではないでしょうか。
同じ通りに松江バザールというお店があります。
こちらは松葉菱に“B”。同じ空気を共有しています。
尾原呉服店のネオンにしてもそうですが、かつての繁華を想像させる華々しい字体です。今は寂しい商店街ですが、いずれこの資産をもとに復活してもらえばと期待します。
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コメント
むかし松江に一人旅したことがあります。
そのときも”モダン”なレトロビルを見た覚えがあります。
古くて美しいビルは温もりがあってほんとにいいですね。
投稿: ねこ | 2007年6月24日 (日) 10:18
ねこさん、こんにちは。
松江を旅されたことがありましたか。
お堀沿いにも上記の元日本銀行松江支店(カラコロ工房は平成12年オープン)などのレトロビルがありますので、ご覧になったのでは。そちらもまた紹介しますね。
松江は、レトロビル、看板建築、町家と見どころ豊富です。
投稿: びんみん | 2007年6月24日 (日) 12:29