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2007年5月 9日 (水)

寄らされて新宮、西村伊作邸

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寄り道はいつものことですが、今回は寄らされ道。
7分遅れで熊野市に着いた特急のドアが私の目の前で閉まってしまったのです。
何てこと・・・
そのまま新宮まで連れて行かれてしまいました。
おまけに戻る列車は1時間後。
怒っててもどうしようもないので、ここは街あるきです。
観光案内所で地図をもらい、商店街をたどって歩き始めました。

少し歩いたところで、目に入ったのがこの界隈。
まず、塀の石積が目をひきました。
近づいてみると、そこは西村記念館(西村伊作自邸)でした。

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玄関に上がる同心円の石段が異国の雰囲気。
西村伊作自邸は、大正3年(1914年)に建てられています。
『日本の洋館 第三巻 大正篇Ⅰ』に載っているぐらい有名な住宅らしい。

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この居間(手前)を中心にした家族主体の間取りが画期的なのだそうです。
奥は食堂。

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この部分はイングルヌックと呼ばれるそうです。
電車のコンパートメントみたいというのが私の第一印象。
普通は大邸宅に付けるものだとか。
暖炉の代わりにストーブを置いてます。

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居間からは南国らしい緑濃い庭が眺められます。

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2階の階段回り。細い手すりです。

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広々とした2階の寝室にはベランダ、その向こうに緑が広がっています。
ロッキングチェアが気持ちよさそう。

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2階には和室もあります。

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庭側から見た外観です。赤と白のコントラストが鮮やか。
手前に張り出した部分が食堂のベイウィンドウ(出窓)です。

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勝手口に降りる階段は逆の同心円階段です。
赤い扉がヨーロッパを思わせます。
向こうに見える白い建物も古そう。

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このカーブ、散歩したくなる道です。
向こうに見えるのは、これも西村伊作による旧宣教師チャップマン邸。
1926年に建てられています。

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さらに近づいてみます。
こちらは公開されていないので、外から眺めるだけです。

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お向かいの建物もちょっと独特です。
大島虎之助設計による岡邸というのがこれにあたるのでしょうか。

この一体は伊佐田という地区で、とても趣きある一角でした。
全く予定していなかった新宮でしたが、満足いく寄り道になりました。
新宮は熊野大社、汽船、木材、漁業などかつての街の構成要素の多い、面白そうな街なので、次は目的地として再訪したいと思います。


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コメント

新宮ですか!ここまではなかなか足を伸ばせません。
私は和歌山市内を1日探訪しただけです。西村伊作作品もこれまで未見かもです。
とても味わいのある住宅ですね。

投稿: ひろ009 | 2007年5月 9日 (水) 21:53

ドアが閉まってしまったなんて、信じられないですね。
しかしこういう機会で街歩きをして、素敵な風景を見つけたときのうれしさはひとしおでしょう!
ほんとに、石垣がきれいです。
西村伊作邸の内装の青、旧宣教師チャップマン邸の屋根の青、南国に似つかわしい色ですね。

投稿: ぷにょ | 2007年5月10日 (木) 01:04

ひろさん、こんばんは。
新宮、熊野は遠いです。しかし、とくに新宮は開けていた街のようですので、見どころは多いと思います。
西村伊作作品、近場では三田市にあるようですね。
手作りの味というのでしょうか。そんな感じはあります。

投稿: びんみん | 2007年5月10日 (木) 01:46

ぷにょさん、こんばんは。
これが見れたからよしとしようかという感じです。
そう、青、です。改めてみると、自邸は外は赤、中は青で、はっきりした色づかいですね。
和歌山の人は青が好きなのかなと思ったことがあります。
農業用資材が青、屋根も青で。
空気の明るさに似つかわしいのでしょうか。

投稿: びんみん | 2007年5月10日 (木) 01:53

この度、西村邸が国の重文指定される見通しとなりました。去年くらいに、老朽化が激しい為
 公に募金を募ってましたが、重文指定されると修繕費等は、国から補填される事はあるのでしょうか?

投稿: なおき | 2010年4月16日 (金) 18:23

西村邸が重文になるのですか。
日本の住宅史でも大事な建物のようですので、それは良いことですね。
重文指定されればある程度修繕費も出るはずですが(ただし、求められる修理の水準も上がる)、詳しいことは分かりません。

投稿: びんみん | 2010年4月17日 (土) 02:18

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