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2007年4月 2日 (月)

大阪狭山の煉瓦隧道×6

『近代建築ガイドブック[関西編]』に「南海高野線狭山町池尻煉瓦造隧道」という明治30年代?の煉瓦トンネルが「5ヶ所現存している」と紹介されている(p122)のが気になっていたので、今回、確認してきました。

場所は南海高野線の大阪狭山市駅〜狭山駅間。狭山池の下流側にある谷を高い土手で埋めて渡る部分で、両駅のホームからホームまで桜並木が連続し、高いところを走るので眺めの良い区間です。

結果から言うと6ヶ所確認できました。
1ヶ所は水路専用なのでカウントされていなかったのかもしれません。
南の大阪狭山市駅側から順に紹介します。

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1番目のトンネルは遠目にはこんな感じ(西側)。

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近寄るとこんな風です。
背の低い私でも髪の毛がかするぐらいだったので、高さ1.7m弱でしょう。

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東側はこんなふうにコンクリートで固めてあります。
いずれも西側の方がきれいに残っています。
ただ、1番目のトンネルは東側からの方がアプローチしやすいです。

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2番目のトンネルが、6つのトンネルでは最大。
車の交通も比較的多いです。
煉瓦の積み方はオランダ積み。
アーチを受ける部分には、石材をかませています。

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3番目はうってかわって最小のトンネル。
水路専用です。近づくこともできません。


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4番目のトンネル。
これは比較的大きいものです。
とまれのマークがかわいらしかったので撮ってみました。

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5番目のトンネル。
ここもアーチを受ける部分に石材をかませています。
水路が通っているものが多いですが、トンネルをつくる理由として、むしろ水路を通す目的の方が大事だったかもしれません。

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石材は端から端まで通っています。

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これが6番目のトンネル。
低くて車は通れません。

ちょうど桜の季節ですので、見に行くにはぴったりでした。
煉瓦のトンネルは意外といい状態で残っていて、見応えがあります。

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最後におまけ。
狭山駅は気に入っている駅で、こんなベンチがいまだに残っています。
色合いもクリーム色とオリーブ色のやさしい組み合わせ。
狭山駅は1986年まで富士車輌の工場があり、賑わっていたようで、上りホームのベンチはその名残かもしれません。

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コメント

こんばんは。

へえーっ!
『近代建築ガイドブック[関西編]』P122のこの記事、見逃していました。
本の写真は不鮮明だし・・・。
煉瓦大好きなので、びんみんさんの写真を見ると行ってみたくなりました。
なかなか大阪から外に出ることができません(汗)。

投稿: ひろ009 | 2007年4月 3日 (火) 00:09

期待しないで行ったので、こんなに残っていて驚きました。
もう一つ、『日本の近代土木遺産』によれば、東除川橋梁(暗渠)という明治31年のねじりまんぽの煉瓦建造物があるようです。位置的には大阪狭山市駅のすぐ近く。未確認ですが。

投稿: びんみん | 2007年4月 3日 (火) 00:33

ねじりまんぼは大阪狭山市駅の北側の踏切の下です。7つありますよ。
正確には狭山市駅のほうから1号暗渠(6番目と書かれているのが1番目です。)

投稿: | 2010年6月18日 (金) 16:45

ごめんなさい狭山駅から1号です。おまけで、昭和12年に複線にしたときに東側をコンクリートで増設したために、すべて西側しか今は見られないそうです。

投稿: | 2010年6月18日 (金) 16:57

いろいろ情報ありがとうございます。

またねじりまんぽも確認しておきたいところです。
暗渠には番号がついているんですね。
私のはただ回った順番です。
また東側増設の情報もありがとうございます。
ということは昭和12年のコンクリート。
それはそれで古いですね。

投稿: びんみん | 2010年6月19日 (土) 00:52

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