柵の意味 〜大大阪にあいたい(3)
先週の日曜日に「大阪・アート・カレイドスコープ」の船場の会場いくつかを回りました。
まずは綿業会館。道路工事のため、周辺はかなりごちゃごちゃしていました。
ここの展示作品は建物の角にあります。「これだけ?」と思ってしまうワンポイントの展示でした。帽子から大正時代の(?)歌が流れます。往時をしのばせるような作品なので、あるいは工事がなければ、もう少し空想に入れたのかもしれません。
次に訪れたのは船場ビルディング。
1925年(大正14年)の建築。
実は、私は中に入るのは初めてですので、ついでにあちこちを見て回りました。
左右対称のようで、ところどころ違うのが面白いところ。
紹介記事によく登場するビルの中とは思えない中庭です。
昼時だったので、1階まで日が差し込んでいました。
今、こういうビルを建てることはできないのでしょうか。
オーナーさんも入居企業の方も非常に愛着を持っておられるようで、幸福なビルだと思いました。
こちらは4階。深い緑のひさし・手すりと白い壁の対比が美しい。
この会場の展示作品は屋上にあります。
屋上一面にカニのようなヒョウ柄の不思議な生き物が「います」。海辺に来たような気分に私はなりました。
ただ、会場が船場ビルディングである必然性はどうなんでしょう。
屋上は西洋建築の世界とは別世界です。
すぐ隣は立体駐車場で、車が並んでいるのを見上げると不思議な気持ちがします。
さて、今回の探訪の締めくくりは、東横堀緑道でした。
今回、いちばん気に入ったのはここ。
東横堀緑道にある柵が、動物園のおりになっています。
柵の中には模型の動物(1組ちょっと違うのもありますが)
高麗橋を渡っている人は、まさか下がこんなになっているとは思わないでしょうね。
平野橋のモチーフ「孔雀」に合わせて孔雀。
「近づくな!」の表示は作品? それとも、元々のもの?
動物たちに混じってこんなのも。
あまりにはまっていて、逆に「では動物の入っていないこの柵はなんだったのか」と思うことになります。
街に足りないものを足す、という意味では、一定完成している近代建築に何かを足す(また何かを引き出す)よりも、取り組みやすい面はあるかもしれません。
この展示は会期が終わってもそのまま残してくれないかなと思います。
これを見たあとは空のおりにしか見えないと思いますので。
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