地中の煉瓦建築
百舌の古墳群の中にあるとまるで方墳のよう。
しかし、ここに埋められているのは古代の王ではなく、煉瓦建築です。
ここは旧天王貯水池。明治43年につくられた堺市の上水道貯水池です。
大阪府内では、大阪市(明治28年)につぐもので、昭和37年まで使われていたそうです。
今は登録文化財。
年に1度の一般公開目当てに出かけてきました。
けやき通りまちづくりの会が毎年秋に開いている「けやき文化の集い」の一環です。
貯水池の入り口は凝った赤レンガの建物。
小さいのですが、堂々としています。
大阪歴史博物館の『煉瓦のまち、タイルのまち』展を見たところなので、赤煉瓦を観察。
角を見るとオランダ積みでしょうか。
太陽の光を含んで、さわると心地よい暖かみがありました。
さらに両脇の煉瓦はすべて刻印入りでした。日本煉瓦株式会社(堺市)と推定される四弁花状の刻印です。地元ですもんね。ただ、色合いが違うので、本体はまた別の煉瓦かもしれません。
さて、中に入ります。中は細い通路が一本。ここが堤防の上のようになっていて、両側に5つに区切られた貯水槽が並んでいます。人ひとりしか通れませんので、ゆっくりはできません。前進あるのみ。
平面図・断面図はこんなふうになっているそうです。
今回は企画として、それぞれの区画をアートの展示空間にしていました。水玉の映像を投影していたり、大きな葉が浮かべてあったり、花を飾っていたり。アーチの煉瓦の空間が厳かな雰囲気を出しています。
一人きりにしてほしい・・・
まっすぐ抜けると反対側の入り口に出ます。こちらはシンプルな形。
物足りないので、もう一周してしまいました。
小さな施設ですが、シンプルな外観に対して、神秘的な雰囲気もある内部でした。
これがけやき通りです。「けやき通りまちづくりの会」には、こういう機会を作っていただいて、ありがたいことです。
前の和洋折衷住宅を見たときの目的はこの旧天王貯水池でした。
三国ヶ丘高校の同窓会館(旧三丘会館)も公開していたはずなんですが、時間がなく断念。
こちらはまたの機会ということで。
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コメント
メールとダブってれば御免。赤れんがの四弁花の刻印、昨年三越大阪店の解体工事で地下から大量に出てきました。今私のブログでは奈良の身障者療護施設(なかがわ)へお渡ししたものを紹介してます。特に四弁花のなかに日本数字が読み取れ非常に珍しいのではないかと思います。貴ブログでの四弁花と同じでしょうか。
コメントが遅くてすみません。
投稿: TAKATAKATAKA | 2007年6月 6日 (水) 20:33
TAKATAKATAKAさん、初めまして。
お越しいただいて、ありがとうございます。
三越大阪店の煉瓦を入手されているんですね。それはすごい。
煉瓦に詳しいわけではないので、そんなに例は知らないのですが、私の紹介している四弁花は扇町でも見かけました。四弁花に日本数字の入ったものは珍しいのではと思います。
投稿: びんみん | 2007年6月 7日 (木) 01:28