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2006年10月31日 (火)

日本映画『幸福のスイッチ』

2006年、日本、105分
監督・脚本:安田真奈
舞台:和歌山県田辺市、東京
ロケ地:和歌山県田辺市ほか

061029

テアトル梅田で、『幸福(しあわせ)のスイッチ』を観てきました。

この頃ブームのご当地映画の一本。和歌山県田辺市が舞台の映画です。自分の生まれた町なので気になって観に行くというのは、製作者の思うつぼでしょうか。他のお客さんも出身者が多かったような。地元の期待を裏切らず、梅干しやみかんや備長炭やと特産品が次々に紹介されて、基本はオーソドックスなつくりですけれど、それだけではない映画でした。

登場するのは田舎で小さな電器店を経営する頑固親父(沢田研二)と3人姉妹(本上まなみ、上野樹里、中村静香)。母親は既に亡くなっています。ヒロインは次女の上野樹里。父親に反発し、東京でイラストレーターをめざしているのですが、入院した父親の代わりに1ヵ月だけ店を手伝うことになります。

・・・という話なので、だいたいストーリーは分かると思いますが、なかなかにディテールに凝っていて、楽しく、じんとする話になっています。親子の話に、地方での大型店対地元の電器屋という構図が加わり、いかに大型安売り店に対抗して商売をするか、さらにはいかに働くかという話がクロスします。監督は10年のメーカー勤務の上、3年間取材を重ね、電器店でも働いてみたのだとか。お客さんからの頼みに実にリアリティがあります。これがみかん農家の話だったらどうだったか。電器屋に設定したおかげで、普遍的な話になっています。それでいて、おっとりした田辺弁(和歌山市あたりの言葉とも違って京言葉のような要素もあると聞きます)が和歌山の雰囲気を醸しています。

父親と三姉妹という設定で思い出すのは、台湾映画の『恋人たちの食卓』。とても好きな映画ですが、それとはまた違う味です。こういう映画はこれでいいのかなと思います。何も全て、芸術的な映画である必要もないのですから。
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コメント

電気店ですか……
なにやら私の実家を描いたような映画ですねぇ。
東京だとどこかでやって居るんでしょうか?

投稿: 虹のパパ黒山羊 | 2006年11月 1日 (水) 21:23

黒山羊さん、こんばんは。

私も黒山羊さんのところが電気屋さんだったなあと思って見てました。
東京だとテアトル新宿で上映中のようです。

投稿: びんみん | 2006年11月 1日 (水) 23:00

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