駆け足 船場建築祭
土曜日、駆け足で船場建築祭(主催は船場アートカフェ)を見てきました。
船場の近代建築を使って繰り広げられるアートとシンポジウムのイベントです。
大阪の街を使っていろいろな活動が展開されているのは喜ばしいのですが、この時期、イベントが重なって迷う状況に。他にどうしても行く必要のあるイベントがあったので、船場建築祭はラスト1時間のみでした。シンポジウムや建物ツアーも参加したかったのに・・・
・・・と愚痴はそれぐらいにして、本題に入ります。
見てきたのは、淀屋橋の芝川ビルと北浜の伏見ビル。まずは芝川ビルから。
昭和2年(1927年)の建築です。かつては芝蘭社家政学園という花嫁学校だったそうです。エントランス部分が戦争で被災した痕跡を残していることでも知られています。詳しくは今月号の「大阪人」で酒井さんが紹介されています(タイアップ企画?)。
近づくと大勢の人が建物を撮っていました。(私もですが)
イベントの案内が出ています。この会場では、演奏とダンスパフォーマンス。ちょうどプログラムが始まろうとする時間でした。
建物の特徴はマヤ・インカの装飾がふんだんに取り込まれていること。とくに入り口脇のこの部屋は濃厚です。それも気になるんですけれど、この内と外の距離感、いい距離感です。窓越しに気軽に声をかけられる感じ。
芝川ビルの階段。業務用の階段といったふう。内階段なのに鉄製なんですね。味わいがあります。
この日は階段を上がっていくと、ダンスパフォーマンスの鬼がこちらに向かってきたり、別の階段を上がろうとすると演奏者が降りてきたり、ハプニングが起こります。
こちらがメインの階段で、地下室に降りたところ。手すり、壁、階段、それぞれに落ち着いた色合いで、全体としてしっくりきています。
地下室も見たのですが、暗くして水音を流す趣向だったのでよく見えませんでした。
こちらは最上階の親柱。立派な親柱です。思わず手を載せたくなるような丸みと柔らかみ、そして落ち着き。この建物、花嫁候補生より渋いおじさんが似合うような気がするのですが。いい建物です。
続いて、伏見ビルへ。伏見ビルは大正12年(1923年)の建築。元はホテルだったそうです。お隣も青山ビルという近代建築です。
入り口には絨毯のようなタイルと緑。この角度から見たらホテルらしい。
シンメトリーに2つの階段が配されています。小さなスペースなのに。手すりの装飾はいたってシンプル。
この会場では、苔を使ったインスタレーションが行われていました。配管部分に苔を巻いているので、配管の湿気を感じさせます。また、模造紙に鉛筆書きの詩も貼られています。(いい写真がなくてすみません)
最上階まで上がると屋上があります。屋上といっても周囲のビルが高いので中庭みたいなもの。ツタに覆われたお隣の青山ビルを眺めることができます。昔はどんな景色が眺められたんでしょうね。
まだ時間があったので、もう一度芝川ビルに戻りました。
すると玄関ホールを水槽に見立ててパフォーマンス中。入れない・・・
どちらのビルも初めてだったので、パフォーマンスで自由に動けないなんて失礼なことを思ってしまったのですが、次にこのビルに入るときには、ゆったり落ち着いた気分で、そこで行われていることを眺めたいなと思いました。
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