夕陽は海に沈まない
民宿の奥さんに「夕陽を見るのにいい場所ありますか?」と聞いてみたところ、返ってきた答えは「夕陽は海に沈みませんからねえ。島があるから」 そうここは瀬戸内海。でも「写真を撮る人は島の北西に行くみたい」というヒントをもらって塩飽本島半周のサイクリングに出発しました。

これがレンタサイクル。翌日、無人の屋釜海水浴場で撮った写真です。1日目はもう少しだけ新しい自転車でした。

島の南西には小阪の集落があり、大山神社があります。神社にこんな石碑がありました。島で鯛の建網漁を開発した人を称える昭和3年の記念碑です。素朴な文字ですが、感謝の気持ちが伝わってきて、いい記念碑です。
この神社を見ていると、通りがかったおばさんに声を掛けられました。「どこから? いつまでいるの?」「大阪から、明日まで」と答えると、「山寺でお祭りがあって、そうめんのお接待があるから、ぜひいらっしゃい」と教えてくれました。(行くつもりではあったんですけど)「それから、そこの角を曲がった阿弥陀寺もご覧なさい」、そうおっしゃって、おばさんは立ち去りました。

阿弥陀寺には弘法大師が作った阿弥陀如来をまつったという縁起が書かれていました。
阿弥陀寺に登ると小阪の集落がよく見えます。親しみを感じる距離感です。

この小阪の集落を過ぎると、道は登りになり、しばらく民家はありません。
島の西半分はほとんど木が生えておらず、岩がごろごろしている異様な姿。しばらくして気づきました。これは山火事のあとなんです。平成14年に大きな山火事があり、島の4分の1を焼いたそうで、黒こげの幹がまだ残っています。

岬を回って下りきるとそこにあるのは、西海岸の見所、この夫婦倉。か、かわいい。ちっちゃくて、実物を見ると写真よりかわいいです。建物を見て、かわいいと思うことはあまりないのですが。
嘉永5年(1852)、薪廻船業を営む新屋の土蔵として建てられたそうです。
海のすぐ近くにあるので、海からもよく見えたはず。

夫婦倉の見ている海はこんな海です。
向かいは讃岐広島。その間には大潮の干潮時に現れる浅瀬があるそうです。

また、西海岸の尻浜には、水見色小学校があります。
架空の小学校(廃校を改造したのですが)で、映画『機関車先生』のロケ地だそうです。

自転車が島の北西に差し掛かり、西海岸の尽きる頃、福田の漁港で夕陽の光条を見ることができました。
結局、教えてもらったあたりの場所になりました。
たしかに島だらけで、海に沈む余地はありません。

少し、太陽が顔を覗かせました。
今日のサイクリングもこれで折り返しです。
塩飽本島西海岸のサイクリングは、高いところから多島海を眺めることができて、お勧めできます。
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