長崎流・土地の使い方
長崎というのは驚くほど平地のないところなんですね。
坂が多いという話は聞いていても、実際に目にすると驚きます。ロープウェイでも家の間を通っていくみたい(とまで言うとオーバーですが)。
それほど山の上まで住宅になっています。
それは海側でも同様。
扇形の出島の絵図は皆さん、見たことがあると思います。
今回出かけるまで、出島がいまどうなっているのかって考えたことはありませんでした(もうないのかと思ってました)。でもちゃんとあるんです。街なかに。
博物館では、1570年、長崎港が開かれた頃の海岸線を知ることができました。出島どころか、今の市街地の中心部はすべて海の中です。山を切り開くか、さもなくば海を埋めてできた街なんですね。
いまの長崎の中華街は、元は倉庫街として、出島同様、隔離された島だったそうです。
だから土地の有効活用に関しては、日本で一番考えてきたんじゃないでしょうか。
この建物、よく見ると橋の上に建っています。いったん橋を壊さないところが面白いですね。この川は暗きょになっていて、この先ずっと市場になっています。
発想として、こういう線路をまたいだ建物というのも、長崎ならすんなり出てくるのではないでしょうか。
平地がなくて立体的なことは、土地の有効活用とともに、”眺める”意識を強めるのではないかと思います。
この写真はどこか分かりますでしょうか。海辺にある長崎県美術館の屋上です。眺めるために高い塔を建てるのではなくて、代わりに開放的な屋上を用意するところに、”眺め”ながらも”眺めを邪魔しない”、長崎流を感じました。
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コメント
橋の上に住宅が建っているの、面白いですね。
住宅の基礎はどうなっているのだろうか・・・
しかも欄干の上に柱を乗せているし。すごい!
線路が通っている建物は、駅ではない一般の建物なんですか?
そうだとしたらこれもかなり驚きですね。
長崎県美術館の、”眺め”ながらも”眺めを邪魔しない”展望台もすばらしいです。
長崎の財産とも言える風景を皆が共有しようという意識が
あるからでしょうね。
大阪市内の超高層マンションみたいに眺望を売りにするために
周りからの景観を阻害するようなのとは大きな違いです。
投稿: ぷにょ | 2006年9月 2日 (土) 20:04
ぷにょさん、こんにちは。
橋の上の住宅、不思議でしょう?
橋の一部を通路で残して、欄干を柵に使うというのはうまく考えていると思います。
線路が通っている建物は、確認したところ、路面電車会社の関連会社が経営する商業施設です。この写真は駅から撮っています。不要になった鉄道施設用地を転用して建てたのではないでしょうか。しかし、大胆。
バンクーバーの都市計画では、眺望を確保する線を何本も引いていると読んだ覚えがあります。眺望を謳いながら、自らは眺めを邪魔しているマンションがうちの近くにもあります。普段から眺めを楽しみ、意識することが大事なんでしょうね。
投稿: びんみん | 2006年9月 3日 (日) 00:32