« 10年ぶりのハノイ(8)屋台 | トップページ | 10年ぶりのハノイ(10)観光客にできること »

2006年5月 5日 (金)

10年ぶりのハノイ(9)塀の向こう

見てくださっている方、そろそろ飽きておられるかもしれませんが、ようやくハノイ3日目です。
この日もハノイ市街をぶらぶらと散歩。
(実際には蒸し暑いので、そんなに優雅ではありません)
060505hoalo
まず向かったのが、ホテルから近いこの建物。明るい感じの建物でしょう? でも監獄なんです。ホアロー刑務所博物館で、元の監獄が一部残されています。1899年建設。

060505hoalo2
これは大部屋で、足かせをはめられた囚人(政治犯など)が入っていました。奥の方に人形が並んでいます。写真は省略しますが、独房、懲罰房、死刑囚の独房といった様々な部屋、フランスですからギロチンもありました。排水溝から脱獄に成功した人もいて、その排水溝の断面の展示などもあります。

060505hoalo3
2階から見るとこんな感じ。中に入っていなければ、風もよく通りますし、快適です。庭に植わっている葉の大きな木は、アーモンドの木です。私は初めて見ました。応急薬になったり役立つ木なんだそうです。あとで外を歩いていると街路樹にも植わっているのに気づきました。
この監獄は最初、ベトナム人が囚われていましたが、ベトナム戦争期には米兵が収容されていて、その待遇がいかに良かったかという展示もあります。その部屋だけ扇風機が回ってるんですよ(笑)

060505fumikiri
ホアローを出ると、再び暑い中を歩いていきます。バイクタクシーに声をかけられながら。
途中、踏切を越えます。ベトナムの列車は主に夜中走るらしく、昼間はこのように生活スペースに使われています。これでも幹線。

次の目的地は、古い城砦タンロンの遺跡です。北京で言うと故宮? かろうじて「地球の歩き方」にはコラムとして載っていたのですが、まだ試験公開のような段階で、普段は塀に閉ざされています。旅行社の人に電話番号を聞き、ホテルの人に頼んで電話で尋ねてもらったところ、今は開いているということでした。一帯は軍の管理する地域で、そこに向かうにも延々塀の続く道を歩いていきます。
060505thanglong10分ぐらい歩いたでしょうか。ようやくこの門を見つけました。ベトナム語なのでよく分かりませんが、1月から5月半ばまで公開されているようです。無料の割に訪ねる人は少なく、静かです。

060505tl2
故宮と違うのは、元の建物が取っ払われて、フランス人によるコロニアルな建物があること。かなり軒が深いですね。1800年代の年号が記されていました。

060505tl1
こういう2階建ての建物もあります。いずれもフランス人によるものでしょう。この建物などは今は役所の事務室に使われているようでした。

060505tl4
階段に龍の彫刻があるのは、故宮と同じ。この上に王宮があったようです。今は洋風の建物が建っています。

060505tl3
その建物に入ると地下に降りていく階段があります。

060505tlbf
地下にはこんな会議室。攻撃に備えた部屋です。ベトナム戦争の頃のもののよう。
地下は涼しく快適です。

060505bac
昼休みも近いので外に出て、城砦の北門に回りました。こちらはいつでも見られます。壁の穴は砲撃の跡でしょうか。実際に戦いの舞台になったようです。

本当ならもっと観光化されていても良さそうなのに、とても静かな塀の向こう側でした。

|

« 10年ぶりのハノイ(8)屋台 | トップページ | 10年ぶりのハノイ(10)観光客にできること »

建築」カテゴリの記事

海外旅行」カテゴリの記事

コメント

こないだの博物館もそうだし、この遺跡もそうですが、黄色い壁の建物が多いんですね。
これはベトナム風でしょうか、フランス風なのでしょうか?
塗料でを塗ってあるのですか?それとも黄色い土を材料にしているのでしょうか?

インドのジャイプールではピンク・シティーと呼ばれる
ピンク色の壁、ジョードプールでは青い壁の町並みがありますね。

投稿: ぷにょ | 2006年6月17日 (土) 02:04

そうなんですよ。黄色い壁が多いんです。
じっくり確かめてはいませんが、塗料の黄色だと思います。
『建築のハノイ』によれば、黄色はフランス人の考える南仏=南のイメージなんだそうです。その影響を受けて、現在、ベトナム人が建てる建物も黄色く塗られていたりするのですから、文化の伝わり方というのは面白いものです。
これだけ強烈な黄色ですけど、街中を埋め尽くすような街路樹の濃い緑があるので、これぐらいでちょうどいいのかなと思います。

しかし、インドのジャイプールやジョードプールの町並みはそんな色なんですか。違う世界にいる感覚を強く感じそうですね。

投稿: びんみん | 2006年6月17日 (土) 02:37

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 10年ぶりのハノイ(9)塀の向こう:

« 10年ぶりのハノイ(8)屋台 | トップページ | 10年ぶりのハノイ(10)観光客にできること »