10年ぶりのハノイ(5)ホテル探検
旅一番の目的は達成したので、翌日はのんびりホテルを探検しました。
今回、泊まったホテルはエデンホテルというエコノミーなホテルです。油断して、ホテルを押さえるのが遅れたため、古そうなホテルを当たっていって、第5候補ぐらいでやっと予約の取れたホテルでした。
ほんとはホアビンホテルという、1926年開業の中級ホテルに泊まりたかったんですが。
エデンホテルはフランス人地区の中にあり、フランス人地区が出来る前からあった細い斜めの道に面しています。(夜は寂しいんですよ)
いつ建ったかは分からない、3階建てのホテルです。1階の向かって右側がフロント。
ホテルの部屋はこんな感じ。天井も高くて、広々しています。若干殺風景かな。
これだけではなくて、広いバスルームがあります。裏から共用のバルコニーにも出られます。
難点はエアコンをかけてもすぐには冷えないところ。
面白いのは、入り口を入ると3階分、吹き抜けの中庭みたいになっていること。温室のような半透明の屋根がかかっているので、外のような内のような明るい場所です。部屋はこの中庭をコの字に囲んでいます。朝食はこの中庭で食べます。
これは1日目の朝食。左がフォー・ボー(牛肉入りのあっさり麺)、右が固いオムレツ、奥が見たままのスイカ、そして左奥が渋〜いお茶です。(やっぱりベトナム人は渋いお茶好きなのか)
朝食のシステムは、リストに好きなだけ○を付けて選ぶシステム。ベトナム風ならフォー・ボー、洋風ならフランスパン、チーズなど。それに果物でパパイヤ、オレンジ、スイカ、バナナが選べます。普通、パパイヤを選ぶでしょう? でも固くて、味がないんです。バナナが一番まし、かな。
4階の屋上にも上ってみました。屋上には洗濯物干し場もあります。同じような高さの建物、街路樹が並んでいるので、地面のような気持ちのいい空間。ここでは赤い屋根が続いています。開放的なつくりなので、生活が近く感じられます。
ちなみに反対側はビンミン(たぶん平明(黎明))小学校があり、こちらの屋上には金網に囲まれた運動場があるので、昼間は賑やかです。
以上が、今回泊まったホテルなんですが、よそのホテルも気になる。ということで町歩きの途中で目に付いたホテルに入ってみました。
こちらはハノイで一番有名なソフィテル・メトロポール。1901年開業で、5つ星の素敵なホテルです。写真は中庭のアーケード。建築的にも美しく、高級といっても華美ではありません。カフェでお茶でもと思いましたが、ゆったり過ごされる方が多いらしく、宿泊客の朝食とバッティングしたので遠慮しました。
さすがに1人ではもったいないですが、いつか泊まってみたい。
そして、もう1軒。右上に1874-77と書かれているように、1877年に竣工し、フランス軍参謀本部として使われていた建物。ハノイ最古の西洋建築だそうです。
<1873年のハノイ。出典:ベトナム建設省建築研究所,"Preserving Hanoi's architectural and landscape heritage",Construction Publishing House,1999。色の点を追記>
※青の点がフランス軍参謀本部で、その周辺(g)はフランス租界、aがタンロン城、hは造幣局、有刺鉄線のような線が城壁、その所々にある○が城門です。その時点では建っていませんが、緑でソフィテル・メトロポール、赤でエデンホテルの位置も示しました。
現在は国防省ゲストハウスという軍系列の宿泊施設になっていて、一般客でも50ドルで泊まれるそうです。正面(左手)の車寄せ部分は後からの増築で、1886-87の年号が入っています。
次回、ハノイに来ることがあればぜひ泊まりたいホテルです。
古いホテルの一つ、ザンチューホテルは取り壊されていたようですが、近代建築に泊まる楽しみもあるのがハノイのいいところです。
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コメント
ホテル探しは旅の大きな楽しみですよね!
中庭があることは私の宿選びにおいてもかなり高ポイントです。
パティオは南フランスあたりの影響でしょうか?
国防省ゲストハウスに50ドルで泊まれるというのはいいですね。
私もハノイに行くことがあったら泊まってみたいです。
投稿: ぷにょ | 2006年5月28日 (日) 23:50
ぷにょさん、こんばんは。
昔は、寝るだけだからと、ホテルは安全性を気にしないですむ程度の所に泊まっていたのですが、最近は欲が出て、クラシックホテルを選んで泊まっています。
(高級ホテルではありませんが)
パティオはどうしてなんでしょうね。『建築のハノイ』の中で、黄色い壁はフランス人にとって南(南仏)のイメージを示すとありますので、パティオについても同じ発想なのかもしれません。
投稿: びんみん | 2006年5月29日 (月) 00:56