10年ぶりのハノイ(12)オペラ座で芦屋に出会う
ハノイにはフランス植民地らしく、1911年建設の立派なオペラ座があります。(当初の装飾は簡素だったそうですが)メインストリートの突き当たりに堂々と建つのはパリと同じ。
もちろん中も見てみたいのですが、現役のホールである、このオペラ座は、何か催し物があるときでないと入れないと聞いていました。
たまたま行きの飛行機で英字新聞を見ていると、オペラ座でクラシックコンサートがあり、無料券を配るという案内が! 演奏するのは芦屋交響楽団・・・。ハノイまで来て芦屋・・・。(芦屋交響楽団さん、ごめんなさい。)でも入れるんです。ありがたく、チケットをもらいに行きました。フールウ村に行った日の朝のことです。チケットの配布場所がベトナムの交響楽団本部で、非常に不便なところにあるため、タクシーで行かなければなりませんでしたが。
危うく門番のおじさんに追い返されそうになりながら、なんとかチケットを入手できました。
下がチケットで、上はチラシです。親善目的のベトナム訪問で、演奏会は2日あり、1日目は子供向けのポピュラーなプログラム、私の行く予定の2日目は本格的なプログラムでした。
入る前に外も確認しておきましょう。
これはオペラ座左手の入り口です。ひさしが装飾豊かです。
先ほどの入り口の内側にはこんな強い曲線のドアがありました。
(なお、コンサートはハノイ3日目の夜でした。)
ロビーは吹き抜けと階段の白い空間になっています。
イタリア産大理石を使っているそうです。
せっかく入れたのだからと劇場内の探索に出かけました。
これは吹き抜けの上部。桟がゆるくカーブしてぬくもりがあります。
貴賓室前のモザイクタイル。真ん中の図柄などちょっとベトナム風な感じもします。
やっとホール内に入ります。これは正面部分。
正直なところ、思ったより小さいなというのが印象でした。
後ろはこんな感じ。中之島公会堂より小さいですが、空間は濃密。でも白を基調に、天井に雲と青空が描かれるなど、爽やかさを感じさせます。スピーカーなどもうまく装飾の中に溶け込んでいます。
始まる前や休憩時間には、けっこう他のお客さんもばしゃばしゃ写真を撮っていました。
芦屋交響楽団の演奏を聴くのは初めてで、私はクラシックはよく分かりませんが、力の入った演奏だったと思います。
指揮者は本名徹次さん。
曲は、ベルリオーズの「ローマの謝肉祭」作品9
ド・ホン・クァン「ベトナム狂詩曲」
伊福部昭「シンフォニア・タプカーラ」
アンコールが、ホーチミンの歌?でした。
(アンコール以外は芦屋交響楽団さんのHPで確認しました)
演奏が始まるとコウモリらしき鳥がぐるぐると飛び始めたのには、さすがに古い劇場だと思いました。
オペラ座の怪人も住んでいそうな感じ。
私の席は3階席で、フェルトの巻かれた手すりにもたれ、音楽と空間を堪能しました。
なお、コンサート後半、地元の若い女性グループが、通路が狭いので、「すみません、すみません」と言っては、きゃらきゃら笑いながら入ってきました。どうも日本語学習中の学生のようで、本名さんがあいさつしていても、「いま、「すみません」って言ったあ!」(たぶん)とまたきゃららと笑います。コンサートの後、私も「すみません」と言って、ちょっと会話をしてみました。彼女たちはやはり、日本語を学習中の学生で、ハノイ貿易学院の生徒だそうです。ちょっとした楽しいおまけでした。
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