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2006年2月20日 (月)

ベルギー映画『ある子供』

原題"L'Enfant",英題"The Child"、
2005年、ベルギー=フランス、95分
監督・脚本:ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ
舞台・ロケ地:ベルギー・スラン
※2005年カンヌ国際映画祭 パルムドール大賞

060205child

「ある子供」についての映画です。
と言ってしまっては全然説明になってないようで、それでもいいようなシンプルな映画です。

ベルギーの寂れた鉄鋼の街・スラン。
20歳のブリュノと18歳のソニアという若いカップル(未婚)に子供ができるのですが、盗品を売りさばいて生活する若い父親・ブリュノにリアリティはなく、子供も金になるなら換えてしまおうと考えるような始末。果たしてブリュノはまっとうな道に足を踏み出すことができるのか?という映画です。二人がじゃれ合う姿を見せることで子供が産まれる前の生活を説明する描写がうまく、変わらないブリュノと対照的に、母の自覚を持って過去の自分を脱しつつあるソニアの姿が鮮やかです。

ソニアがブリュノを探し回るオープニングに始まって、話は決してフラッシュバックすることなく、前へ前へと進んでいき、二人の関係や取り巻く人々、環境は自然に説明されていきます。
見た目のシンプルさの裏で、シナリオや撮影は相当綿密に練られているそうです。
たとえば料理でもシンプルなものほど難しいのではないでしょうか。
そんな味わいのある映画です。

この映画は梅田ガーデンシネマで観ました。
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コメント

びんみんさんのお書きになった映画評を読むと、必ず観たくなるから、困りものです^^。
うーん。早く映画館に行きたい。
梅田スカイビルのお写真に、涎が出そうです。

投稿: ふぁっちゃいん | 2006年2月22日 (水) 21:49

ふぁっちゃいんさん、こんばんは。
観たいと思っていただける感想になっていれば幸いです。
まだまだですが。
梅田スカイビルは、「やってきた!」という気分になれる場所ですよね。

投稿: びんみん | 2006年2月23日 (木) 00:18

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