大将軍神社
私は神社が好きです。
といっても宗教心からではなくて、その雰囲気が好きなんです。
とくに好きなのは、太古の自然崇拝にはじまって、ずーっと拝まれてきたような神社、たとえば山であったり、岩であったり、湧水であったり、そういう対象への崇拝から始まっている神社です。京都でいうと上賀茂神社、下鴨神社など。
その場に立つと特別な気配を感じます。
その次には、どこかクセのある神社が好きです。
この大将軍神社を私はクセのある神社と思っているんですが、それは失礼でしょうか。
桓武天皇が都を平安京に遷都したとき、都の守護として、四方に天王、四隅に大将軍を祀ったうちの、東南隅に計画的に置かれた神社です。陰陽道の影響を受けているとか(大将軍は人間ではなく、金星の神)。とくに重要な場所だったそうで、藤原兼家の邸があったそうです。その名残として、境内に東三条社がまつられています。
場所は京阪三条から東に少し歩いたところで、敷地は大きくないものの、上の写真にあるように檜皮葺の拝殿(舞台みたいですね)、本殿脇には立派なイチョウ、絵馬殿、神馬殿、山車倉庫?など多くのものがあります。
国立近代美術館へはいつも京阪三条から歩くのですが、大将軍神社に寄ったのは初めてでした。帰りでしたので、既に夕暮れです。昔はこんな時間には怖かったでしょうね。
こちらが、東三条社。
神社好きの人にはいろいろあって、社殿に興味を持つ人、狛犬の写真を撮る人、祭りが好きな人、古代史に思いをはせる人等々おられるのですが、私は敷地にある摂社・末社(本殿の右や左、後ろなどに小さなお社がありますね? あれです)や誰それの腰掛け石などが、その時々の人たちの思いが伝わってくるようで好きです。
学問を究めたいとか(天神社)、豊作になってほしいとか(稲荷社)、稼ぎたいとか(戎社)、雨が降ってほしいとか(白龍社)、火事は困るだとか(秋葉社)、雷はいやだとか(愛宕社)・・・
東三条社は天満宮になっています。小さいながら、檜皮葺です。
帰ろうとして、ふと一枚の張り紙に目が止まりました。
「拝殿と東三条社の檜皮の傷みがはげしいので、3月10日から銅板に葺き替える工事に入ります」と。
檜皮を維持するにはお金がかかりすぎるので、やむを得ません。
記念に数枚余分に写真を撮っておきました。
この大将軍神社は京都だけにあるのではありません。大阪にもあります。(奈良にもあるそうです)
実は、大阪天満宮の中に大将軍社があって、長柄豊碕宮(652年〜)の鎮護に置かれたと言われますから、菅原道真よりも前です。この神社の森が南森町の語源なんだそうです。のちに本殿を天神さんに譲った格好になります。
大阪天満宮には星にちなんだ池がありますが、そんな話までしだすと収拾がつきませんので、今回はやめておきます。
こんな風にいろいろと面白い話に出会えるのも、神社を訪ねる楽しみになっています。
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