オランダの空、神戸の空
兵庫県立美術館で開催中(15日(日)まで)の『アムステルダム国立美術館展』を観てきました。
最近の展覧会は、その充実ぶりに感心します。とくに国立やこの兵庫県立美術館。この場合は世界巡回展なので、アムステルダム国立美術館の企画なのかもしれませんが。
市民を相手にする画家の誕生や都市の活気、海外貿易などが部屋ごとのテーマで、ただ絵を見せてくれるだけでなくて、16世紀のオランダ社会がイメージできます。ほとんどの絵に説明がありますし、絵の中に登場する工芸品はこれです、と実物も見せてくれたり。
ちょうど、司馬遼太郎の『街道をゆく(35) オランダ紀行』を読んでいたので、良いタイミング。
タイミングが良いといえば、上の写真、これは美術館に入る前に、表(裏?)で撮った写真なんですけど、神戸の冬の雲は、絵の中に広がるオランダの雲とも似ているような気がします。
JR快速から眺める空はもっと絵のようだったんですよ。
この季節で良かった、と思います。
作品は落ち着いて見られるものがほとんどでした。
面白かったのは集団肖像画がなにやら記念撮影に見えたこと。
とくにパン屋さんの絵があるんですが、絵のできはともかく、並べられたパンを前に、中央に誇らしげでちょっと照れたような主人、そして両隣に奥さんと子供。「俺が絵になっていいの?」という昂揚した気分が出てるようで(勝手な推測ですが)、微笑ましく思いました。
あと、絵の中に登場するデルフト焼きのタイルが実物展示されています。1片に一つずつ、子供の遊びが青い絵付けで描かれたもので、なわとび、たこ揚げ、魚釣りなどなど、見ていくととても楽しいものでした。この遊びはこの頃からあったんだなと。
展覧会の目玉、フェルメールの「恋文」(という名前の作品)は、最後にありました。
ここだけ少し行列ができています。(それ以外はゆっくり見れました)
隅々まで雑さがなく、行き渡っているなという印象。落ち着いて見られます。
ボリュームがあり、解説を読みながらだと結構な時間。
かなり満腹感のある展示でした。
そうそう、付属のレストランでは、展示にちなんで、オランダ料理を出していました。
こんなところも行き届いています。
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