遠出気分の亀岡
先日、お誘いを受けて、亀岡のまちあるきに参加しました。
大学時代、亀岡から通っていた人はいたけど、私がたずねるのは初めてのこと。
それは秋も深まった日曜、JRの「嵐山もみじ号」に乗って私たちは出かけました。(大阪から乗れば、亀岡まで乗り換えなしに行ける便利な電車なんです。)
列車名の通り、嵐山に行くために乗り込む人が多く、この日は肌寒い日でしたが、京都で列車はラッシュのような人混みになりました。(良かった。大阪から座ってて)
嵐山までは家が建て込んでいます。嵐山で大勢の乗客を降ろすと、列車は保津峡へ。寒いながらも晴れ間が見えます。ここでトロッコ列車に乗るのか、山に登るのか、さらに人が降ります。
そして保津峡を抜ければ、そこは亀岡の盆地。
その瞬間は劇的でした。
山裾には霧、見渡すかぎり水田が広がるばかりで、京都から30分の割に随分遠くまで来てしまった気分になります。
駅のたたずまいも旅情を感じさせます。
そんな旅行気分を話したくて、到着までの長々した説明にお付き合いいただきました。ようやく到着です。
冒頭の写真の説明がまだでした。
この写真は亀岡にある古世親水公園の洗い場(現役!)です。
左が野菜用で、右は洗濯用だとか。のぞき込むと小魚がたくさんいるんですよ。手を浸すと暖かい水です。これなら冬の洗濯物にありがたいでしょう。
亀岡というのは水の豊かな所らしく(豊かすぎて一部は湿地だったとか)、街中にこんな湧水があります。そう湧水なんです。私は越前大野でしか、このような洗い場を見たことがありませんが、地元の人には珍しくないらしく、「え、よそにはないんですか?」という反応でした。ちなみに亀岡では地元出身者を“地亀”、よそから来た人を“他亀”と呼ぶと教えてもらいました。ジガメとタガメ、響きも面白いですね。
この湧水は外堀の一部でもあります。幅こそそれほどではないですが、亀岡は三重に堀に囲まれていたようです。
もう一つ、水の豊かさを示しているのが醤油屋さん。この醤油屋さんは、さきほどの洗い場のすぐ近くにあって、江戸時代から醤油を作り続けています。樽などまだ江戸時代の大きな樽が現役。醤油もひしおと呼んでいます。
店のご主人は「亀岡の醤油は“京出しの醤油”というんです」と誇らしげに説明してくださいました。
見せていただいた蔵の中はもともと醤油の甘いにおいが漂っているのですが、試しに栓をひねって醤油を出していただくといっそう濃い醤油の香りが立ち上ります。
水がいいので、造り酒屋もあります。かなり大きな酒屋さんですね。
亀岡の町を歩いていると家の表にちまきと輪が飾ってあります。
それぞれ別の神社から配られるそうで、珍しいなあと感心していると「京都でもそうですよ」と言われたんですが、そうなんでしょうか。あまり記憶にないのですが。
ちまきは有効期間1年、輪は半年とのことでした。
また、歩いていて思ったのは、城下町の割に道がまっすぐ。
突抜町という町名があるんですが、突抜町以外の町もみな突き抜けているように見えました。
見通しがきくので、車がけっこう飛ばしています。
(余談になりますが、亀岡には市営の自動車学校があるんですね。そういうものがあるとは初めて知りました。)
書き切れませんが、ほかにもいろいろ面白い発見がありました。今回歩いたのはほんの一部なので、まだまだあるはず。
亀岡、近い割に遠出した気分になれる町です。
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コメント
亀岡って、1度だけ行ったことがあります、山陰線で。駅前で休憩して帰ってきただけなので、行ったうちに入らないと思いますが。
夫が山陰線沿線出身なので(右京区)「保津峡より向こうは田舎」という思い込みがあり、あまり行く所というイメージが無いようです。
お守りのちまきは、祇園祭で鉾ごとに売られます。毎年買ってる方は、ちゃんと前の年のを買った所へお返しして、新しいのを買うようですよ。
投稿: てすこ | 2005年12月14日 (水) 18:00
てすこさん、こんにちは。
亀岡って京都の人でも行かないところなんですね。
「保津峡より向こうは田舎」・・・間違いではないと思いますが、田舎を楽しみに行くということはないんでしょうか。それならもっと自然のあるところへ、となるんでしょうか。
お守りのちまきは祇園祭の時なんですね。同じように戸口に貼っています?
投稿: びんみん | 2005年12月14日 (水) 20:10